製品&ソリューション

クラウド型収蔵品管理システムI.B.MUSEUM SaaS

数十ページにわたるPDFファイルも、高精細な画像ファイルも。
すべてをデータベース内で完結できる環境に向けて、さらに一歩、外へ、奥へ。

文化財は、厳格に管理すべき「地域の宝」であると同時に、積極的に活用したい「地域の魅力」そのものでもある。そんな思想を盛り込んだI.B.MUSEUMSaaSでは、データベース内部に蓄積する資料情報を館運営情報の一部と捉える視点から機能改善に取り組んでいます。館内情報の一元化の推進は、資料情報のインターネット公開文化の確立などと並んで依然として大きな課題のひとつですが、今回、待望の機能をいくつか実現しました。

PDFファイルと大容量ファイルの登録・公開機能

ご注目いただきたいのは、「大容量ファイル」を取り扱う方法論の刷新です。まず、これまでは外部ストレージに登録したデータにリンクを張り、そのつど「外から呼び出す」形を採っていたPDF文書の直接管理。今後は、ファイルとしての保存から外部への公開まで、システム内で完結できるようになります。画像についても、登録可能なサイズの上限を大幅に拡大。高精細画像までデータベース内で直接保存できるなど、一元管理環境の実現にまた一歩近づきました。

ページ数の多いファイルもシステム内にそのまま保存。最初のページからサムネイル画像を生成しますが、任意のページを指定して変更することも可能です。もちろん公開機能を通じて配信することもできるので、ページ数が多い資料も見やすく提供できます。

大容量ファイルの登録容量制限と追加ストレージについて

●総容量はPDFファイルと高精細画像を合わせて、1館あたり50GBに制限させていただきます。
●50GBを超えて登録する場合は、別途書面(追加ストレージ利用申込書)にてお申込みいただき、PDFファイルと高精細画像を合わせて1TBあたり月額1万円の追加料金でご利用いただけます。
●50GBまでの容量制限は、PDFファイルと高精細画像のみに適用され、従来の画像、テキストファイルなどの総容量については、これまで通り制限はございません。

もっと使いやすく、もっと直感的な操作で。
館内業務の時短化に貢献する、機能改善の新機能。

検索条件の追加機能と、結果一覧の表示変更

I.B.MUSEMSaaSでは、これまで5つのキーワードを組み合わせて検索をかけることができました。検索条件の設定としては十分に実用的なものでしたが、「管理情報を館運営に活かす」という情報活用スタイルを提唱するI.B.MUSEMSaaSにおいては、登録情報が充実するほどに「もう少し絞り込んでから探したい」と思うシーンも増えるはず。そこで、今回の改善では、画面上で指定できる検索条件の数を「最大20件」にまで大幅に拡大しました。
たとえば、過去の展示実績の足跡を睨みながら次期展覧会への出品作品を検討する場面なら、「作家」「技法」「寸法」「展示期間(始)」「展示期間(終)」に「状態」を加えて、6つの条件を掛け合わせることも可能に。適切な条件を増やすほど、膨大なデータの中から意図通りの抽出がしやすくなるので、作業全体の時短化につながります。

関連PDFファイルの管理方法の変更

登録した資料に関連するPDFファイルがある場合、これまでは別の場所に格納したデータのリンク情報を付記する方法を取っていましたが、画像と同じようにひとつのファイルとして登録できるようになりました。他の保管場所を参照するプロセスがなくなる上に、冊子になっている場合は見やすいページを指定できますので、目的のファイルを探す時間をグッと短縮できます。

検索結果表示の幅の変更方法の改善

検索結果の一覧に表示する項目の幅を変更したい時、これまでピクセル数の直接指定で行っていた操作をマウスドラッグで実施できるように変更しました。細かい部分ではありますが、より直感的な操作が可能となりましたので、最も見やすいと感じる表示を気軽に作ることができます。

人物情報の新規登録手順の改善

制作者など「人物」に関するデータを登録したい場合は、先にその人物のマスター情報を作成し、資料情報ページから呼び出す方法を採っていました。これは、資料情報に手入力すると表記に揺れが生じ、「別人」としてデータが作成されてしまうことを防ぐための仕様ですが、いったん資料情報の画面を閉じて人物情報を開き、登録した後に資料情報に戻る…という煩雑な手順を踏むことが必要でした。
今回の機能改善では、人物マスター情報を活用する点は変わりありませんが、代わりに資料情報を開いたまま人物情報を新規登録することができるようになりました。資料情報から人物情報を直接登録できるだけでなく、その場で人名を検索して登録されていないことを確認できるなど、重複登録の防止にも配慮しています。

帳票テンプレート機能の追加

帳票のデザイン&レイアウトは、保存後はその書式を出力に活用できますが、問題は最初の作業。自館のフォーマットを再現するには、それなりに手間がかかりました。今回の機能改善では、より気軽に使えるテンプレート機能を追加。ゼロから書式を指定するのではなく、完成イメージに近いものを選んで編集・調整できますので、自館仕様の帳票の直接出力がグッと近づきます。