製品&ソリューション

クラウド型収蔵品管理システムI.B.MUSEUM SaaS

工夫次第でどんどん魅力的になる 博物館クラウドの公開機能

データベースシステムで資料などを検索する際は、キーワードや分類を指定する方法が一般的です。博物館クラウド「I.B.MUSEUMSaaS」の情報公開機能でも同様で、特に珍しいわけでもありません。

しかし、そう感じるのは私たちが博物館関係者だからかもしれません。一般の方々にもっと興味を持ってもらえるように、使いやすい環境を提供したい。そんな思いが伝わってくる「やさしい検索ページ」をご紹介しましょう。

川崎市高津区が運営する地域資料のデータベースサイト「高津区ふるさとアーカイブ」では、博物館クラウド「I.B.MUSEUMSaaS」で生成した情報公開ページに、とてもわかりやすい水先案内用のカバーページが設けられています。文字通り本のカバーのように「かぶせる」ことで、誰にでも触りやすい、また多くの人の関心を引くデジタルミュージアムサイトを構築されています。

一見すると、システムの自動生成機能を使っているとは分かりません。一から開発したかのような見栄えで、いかにも使い心地が良さそうな印象がなかなか秀逸ですが、実はもっと便利な工夫が。詳しくご紹介いたしましょう。

◎取材協力/川崎市高津区様
http://takatsufurusato.sakura.ne.jp/

公開ページすべてに別々のURLを付与する
博物館クラウド[I.B.MUSEUM SaaS]の仕様を上手に使うと、こんなに利用者に優しいWEBサービスになります。
利用者に大好評の検索画面
見たい項目を選ぶだけで検索条件を自動的に指定

見やすいトップメニューの画面から、たとえば「テーマと時代から写真を見る」を選んで❶の画面で「戦前・戦中」で「街道の町並み」をクリックすると、❷の検索結果へと進みます。

ここでご注目いただきたいのは、検索条件が「テーマは街道の町並み、年代は戦前・戦中」とすでに入力・選択された状態になっていることです。もちろん、プルダウンメニューで条件を指定することもできますが、特に条件変更を望む場合以外は、最初から表示されている方が、操作はずっと簡単です。これなら、デジタルアーカイブの検索に慣れていない方でもすんなり使いこなせることでしょう。

 

同様に、「地図から写真を見る」のページに進むと、「高津区全体の地図」が表示されます。この画面で閲覧したいエリアをクリックすると、該当エリアの写真一覧が表示されます。この時も、検索条件が入った状態で表示してくれます。
たとえば、❸の画面内の地図で「溝口」をクリックしてみると、❹の画面が表示されます。検索結果一覧部分には、「撮影地域が溝口である写真」という検索条件が入っていることが分かります。

「最初から入力済み」の秘密は、博物館クラウドが自動生成する
「全ページのURL」の活用

これらの「最初から検索条件が指定されている」ページは、実はI.B.MUSEUMSaaSの公開システムで自動生成する「個別ページのURL」を表示しているのです。このURLは「すべてのページ」に割り振られるため、「検索結果一覧ページ」も対象となります。上の例では、「撮影地域が溝口」というページを表示しているわけですね。

高津区では、この「全ページに個別のURLが付く」という仕様に着目し、そのURLにジャンプするための「見やすいカバーを作った」のです。種を明かせばシンプルですが、とても効果的なアイデアですね。

最近は、街の中でもスマートフォンやタブレットPCを利用する場面が増えました。小さな入力ボックスやプルダウンメニューをタップする機会は、できるだけ少なくしたいところです。

そんな利用者の気持ちに寄り添う、博物館クラウドの上手な活用例。簡単に実現できますので、ぜひご参考に。