No.6
2006.05.28
開館と閉館の話題 こんにちは 奥田元宋・小由女美術館 さようなら 交通博物館
新しい館ができると聞くと西へ、あの館が閉館すると聞くと東へ、探究心なのか野次馬根性なのか、とにかく自然と足が向いてしまう取材スタッフ。今回は、新規開館の美術館とまもなく閉館(リニューアル)の博物館を訪ねてきました。
奥田元宋・小由女美術館
開館して三日目の、奥田元宋・小由女美術館は、予想通りの賑わいを見せていました。礼服姿の紳士、着物姿のご婦人、それに大きなカメラを担いだマスコミ関係者の方々・・・。このめでたい空気は、いかにも新規オープンという雰囲気です。
当日は、福山で新幹線を下車、レンタカーで現地に向かったのですが、都会生活に慣れた身には新鮮な、緑豊かなドライブで、思ったより近く感じました。広島三次ワイナリーがあって、家族連れのドライブスポットという感じでしょうか。
スタッフの皆さんがお忙しそうに小走りに動き回っていらっしゃるのが目に付きましたが、混雑の中でもお客様一人ひとりに親切に対応されていたのが印象的でした。チケットを購入したとき、カンタンな館内の説明をしてくださるのですが、この忙しい中、笑顔でしっかりと説明され、飛行機のフライトアテンダント並みの好印象。すごいです。
日本画家の奥田元宋、人形作家の小由女夫妻の美術館ということで、夫婦の愛情にあふれた雰囲気が、木をふんだんに使った内装の温かみと重なります。「元宋の赤」と言われる個性的な作風と、表情豊かな人形にしばし見とれ、仕事を忘れて浸ってきました。
対照的に、ご挨拶に伺ったバックヤードでは、スタッフのみなさんが本当にお忙しそうで、開館準備の大変さが胸に迫りました。私共がお手伝いさせていただいたシステムは、とりあえず機嫌よく動いてくれて一安心。スタッフの皆様の忙しさを、ホンの少しでも和らげる活躍をしてくれていたらいいなあ、と願うばかりです。(U)
交通博物館
こちらは、来年に「鉄道博物館」としてさいたま市への移転を予定している、交通博物館。5月14日の閉館前に訪ねておかなくては、ということで行って参りました。
今回は、大きなお目当てがあります。旧万世橋駅遺構の特別公開。JR中央線高架下レンガアーチ内、そして旧万世橋駅ホーム跡。普段は非公開とされているだけあって、今年1月のスタート以来スゴい人気を集めていると評判のイベントです。実はひそかに鉄道マニアの記者も、個人的に楽しみだったのですが・・・。
ちょっと、なにこれ! 人、多過ぎ! いや、本当にものスゴいお客さんの数で、文字通り「入れない」状態なのです。人気とは聞いていましたが、まさかこれほどとは・・・。
しばらく待っていたのですが、整理券を持っていない私は、どうも今日は無理そうな気配。仕方がない、改めて出直すことにしました。
さて、気を取り直して、ほかを回ることにしましょう。とは言っても、やはり大層な混雑ぶりで、1階に設置されている新幹線や東海道線のシミュレータも順番待ちです。それはそれで残念なのですが、でも、記者にはもうひとつ、ぜひ見ておきたい展示物がありました。
それは、167系電車、通称「なかよし」の先頭部分の複製。何のことかわからないかと思いますが、実はこれ、昭和41年から8年間にわたって広島~下関間で使われた、小学生の修学旅行専用車なのです。専用車と言うだけに内装も変えてあって、テーブルや飲み水タンクが大きかったりするんですよね。とてもノスタルジック。
小学生の頃、時刻表の表紙で見たその雄姿。朱色とクリーム色の車体に「なかよし」のプレートは、とても当時の記者の目には格好良く映りました。「修学旅行で乗れるんだな」と思っていましたが、夢は適わず、そのままウン十年。取材を忘れ、しばし浸ってしまいましたよ。
リニューアル移転は、やはり一抹の寂しさもあります。記念に、ということで、スタンプラリーにも参加して、賞品のクリアケースもいただいてきました。あとは、特別公開を見ることができれば、思い残すことはないと思った記者でした。(W)
【参考URL】
奥田元宋・小由女美術館 http://www.genso-sayume.jp/
交通博物館 http://www.kouhaku.or.jp/
※なお、交通博物館は2006年5月14日をもって 閉館し、2007年10月14日、さいたま市大宮に 鉄道博物館として開館しました。