ミュージアムIT ケーススタディ

ミュージアムレポート


http://yuiamagi.html.xdomain.jp/
提供機関 : 鹿児島県天城町教育委員会
仕様システム : I.B.MUSEUM SaaS / フロントページ
狙いと特徴 : 歴史資料や文化財、自然景観や生物を幅広くカバー


枠にとらわれないデータの追加と「地元色」が
躍動感を生み出し、利用者との距離を縮める。

データベースの特徴

鹿児島県南西諸島の徳之島にある町のひとつ、天城町のデータベースは、とにかくバラエティ豊かで個性的。遺跡や文献だけでなく、居住、信仰、伝承などの一風変わった分類メニューのほか、爬虫類、甲殻類、昆虫など島の生きものがズラリと並びます。「天城町百科事典」という趣の、充実のデータベース。一度開けば、そのまま読み進めたくなる面白さに出会えます。

情報充実の秘密は地域住人との交流

教育委員会の職員が集落内での聞き取り調査する際に、データベースを活用したところ、意外な効果があったとか。町民の皆さんに見せると、内容の誤りを指摘してくれたり、方言での呼び名などを教えてくれることもあるそうです。交流を通して「地域社会に生きている情報」を知り、より充実させていく。そんな、血の通ったコンテンツへと成長しています。

手づくりのWEBページで情報検索をアシスト。
地図アプリと併せて、楽しめるデータベースへ。

個性豊かな「活用型」のコンテンツ

島内に点在する「泉」を意味する水汲み場「イジュン」が数十件も登録されていて、その土地の特徴とともに解説されています。また、生物の解説では「島内の目撃情報」も添えられているので、実物を見て歩きたい気分を盛り上げてくれます。さらに、食べられる生物の情報では、実際に調理している写真まで掲載。地元の方が「そうそう!」と楽しみ、思わず島外の人々に教えたくなりそうな情報が満載です。
そんな「行動派デジタルアーカイブ」にふさわしく、地図アプリ「にっぽん風景なび」も活用。アプリ内のガイド情報も、続々と増えています。楽しみながら閲覧し、フィールドでも使いこなせる。町の歴史、地域の宝に詳しくなれる活用型のデジタルアーカイブへと育ちつつあります。

手づくりサイトで魅力をアップ

さらに、当デジタルアーカイブは、町の文化財保護審議委員の方の手作りによるWEBページが情報探しを手助けしてくれます。プルダウンでジャンルを選ぶのではなく、パッと見てわかる画像を並べ、クリックするだけで関連データを引き出せる仕組みとなっています。画面はキレイでわかりやすく、手づくりとは思えない出来栄え。スマートフォン版もあり、初めて訪れた方でも手軽に閲覧できるよう工夫されています。
このデジタルアーカイブを閲覧していると、作り手の愛着がそこかしこに溢れているのを感じます。それが利用する地元の方々にも伝わり、さらなる充実につながり、到達力を高めて行く。技術論を超越した、デジタルアーカイブの効果と素晴らしさが体感的に理解できる事例です。

まとめ

伝えたい、遺したいものをアーカイブしていく。
理屈より「思い」が、届くデジタルアーカイブを作る。