2021.03.04
「ミュージアム・ブログ」を始めるにあたり
#ご挨拶早稲田システム開発株式会社の内田剛史と申します。弊社は、1992年の設立以来、一貫して博物館向けの収蔵品管理システムのみに特化する専門企業で、私自身は2004年より代表を務めております。
私は、14年間の銀行員生活を経て、この業界に身を置くことになりました。銀行員時代は、預金や融資の目標数値の達成に、あるいは融資先の財務分析に追われる毎日で、当時は「学芸員」という職種がどんな業務に携わっているのかさえ知りませんでした。その後、全国の博物館に通い続けて17年。学芸員の皆さんの知識に、技術に、矜恃にすっかり魅了され、今も圧倒され続けるばかりの毎日を過ごしております。
ミュージアムに展示されている資料や作品は、多くの場合、学芸員の解説が添えられていなければ、その価値を正確に理解することが困難になるでしょう。言ってみれば、私たちミュージアムファンは、学芸員の懇切丁寧な案内によって歴史や芸術の魅力にふれていることになります。国立、都道府県立、市町村立、そして私立と、規模や運営基盤の違いはあれど、地域のたからを守り継ぐ役割を考えれば、学芸員なしでは博物館は成立しません。
では、そんな彼らの仕事は、社会から正当な評価を得ているのかと言えば、疑問が残ります。かつての私自身のように、その存在の重要性は漠然と感じるものの、学芸業務の何たるかについては理解できているとは言い難いという方も多いのではないでしょうか。
私は、年間で200館前後のミュージアムを訪問していますが、学芸員の皆さんにお話をうかがうたびに「これはたくさんの方にお聴きいただきたいな」という高揚感に包まれます。そこで、ふだんは裏方として汗をかいてくださる博物館職員の努力を伝えたいと考え、このブログを開設しました。ミュージアム専門のシステム会社の企画・営業・サポートという立場から、元・銀行員の中小企業経営者という立場から、そしてひとりの「ミュージアム好きおじさん」の立場から、気の赴くままに書き綴っていきたいと思っております。
投稿内容の一貫性もなく、とりとめないブログになると思いますが、どの立場から書いても、「学芸員応援」の立ち位置だけは変わりません。どうぞよろしくお願いいたします。
令和3年3月
早稲田システム開発株式会社
代表取締役 内田 剛史
昭和41年、兵庫県生まれ。大阪外国語大学を経て、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)に入行。大阪1店舗、東京2店舗で勤務後、自治体国際化協会に出向。出版社勤務を経て2004年より現職。