2006.12.12
座席予約における独自のアルゴリズム
私の上司であるSさんは、座席予約と競馬には独自のアルゴリズムでいつも戦っている。新人の私は(年齢的には既に半ばを過ぎている)上司のSさんとOJTで出張する機会が多く、座席予約に関しても勉強させて貰っている。
Sさんと私は二人とも時代遅れの煙草呑みである。従って新幹線などの座席予約は、喫煙車両を必然的に選ぶことになる。(座席数が少ない)ここで早速Sさん独自のアルゴリズムが発揮されることとなるわけだ。座席は必ず2人掛けを選ぶ。復路はなるべく始発が近くからの列車を選ぶ。(なるほどねえ)などなど細かい技が随所にみられる。(但しいつもうまく行くとは限らない。)
少し前の話になるが、その日は出張でリゾート地にある美術館を訪問することになっていた。観光シーズンのほんとうに最後だったことから、こちらも余裕で座席を確保できると踏んでいたのである。しかしながら思った以上に予約が集中しており、何とか座席は確保できたものの、二人はばらばらの席になってしまった。そこからである。いや~な予感が頭をかすめ始めたのは。そう、二人が恐れたのは座席を向かい合わせにされてなお且つそこにスーツ姿で一人座っている自分の姿である。当日緊張した面持ちで列車に乗り込むと幸いなことに私の隣はスーツ姿の男性であった。(安堵)これで心置きなくタバコも吸える。
一つ前の駅から乗車したSさんを探してみると、お隣は品の良い感じのご夫人であった。常識のあるSさんは目的地に着くまでタバコに火をつけなかったことは言うまでも無い。
その後、又二人で出張する機会があった。その時は独自のアルゴリズムで思った通りの席を確保することが出来た。席に着き、ふと隣を垣間見ると向かい合わせになった座席の通路側にスーツ姿のサラリーマンが二人(お互い知らない人のようであった)膝を付け合せ窮屈そうに座っているではないか。更に良く見ると座席を向かい合わせにしたと思われる4人組は皆申し合わせたように眠っている。なんてことだ。座席予約アルゴリズムを彼らに教えてあげられたらと妙に同情してしまった瞬間であった。(慣れている人なら思いつく方法なのですけどね)
それにしても、せっかく席を向かい合わせにしたのなら、楽しそうに会話でもしてくださいな と思ってしまった今日この頃である。
Written by S.S