2010.12.06
クラウド型収蔵品管理システム、デビューの秘話
11月24日から25日まで、奈良県新公会堂で開催された第58回全国博物館大会に参加してきました。これで3年連続の参加です。
今回は、I.B.MUSEUM SaaS のサービス開始ということもあり、ブース展示とプレゼンテーションはいつも以上に気合を入れました。会場で私のツタナイ話を聞いてくださった皆さま、ありがとうございました。
前日に3人で奈良に入り、展示ブースの会場設営をしました。弊社は手作りのパネルで素人作業の準備がいつものことなのですが、今年は展示会社さんが本格的なブースを作っていました。大工さんっぽい人までいて、なんだかうちが見劣りしてしまうなあとうつむき加減で準備にいそしんでいたところ、事務局の方がスライドショーの映写をリハーサルさせてくださるということで、会場に案内していただきました。
発表の場は、いつもの講堂、ホールの壇と違って能の舞台。重厚な木造りの屋根があって橋があって・・・、リハーサルで壇にのぼるのに、「ここで靴を脱いでください」と言われました。見栄えが大事だと、持っている中で一番光沢のある、高そうに見える靴を用意してきた私は、このあたりで焦り始めます。ただでさえ小心者の私はプレゼン前日はホテルの部屋で何時間もひとりでリハーサルをするのですが、そういう人間というのは、えてしてアドリブが利かず、いつもと違う環境に置かれると途端に緊張で身動きできなくなるもの。そして今回、想定外のことが起きてしまった(今考えると、大したことはないのですが)。ヤ・・ヤバい・・・(脂汗)。
社員のみんなが2年もかけて開発してきた新サービス。明日はそれを全国の大勢の館長さんの前でお披露目する場、失敗は許されない。考えれば考えるほど、ホテルでのリハーサルは噛みまくってしまい、やればやるほど自信をなくす始末。社員の期待を一身に背負う発表本番は、いったいどうなってしまうのか――っ(『北斗の拳』のエンディング・ナレーションの口調で)。
(昔のアニメなら、次週へ続く、となるところですが、大したオチがないので続けます。
窮鼠猫を噛む? 火事場の馬鹿力?
社会人4年目で東京に転勤(前職です)して早や18年。そのときのお客さまに「関西弁でしゃべるなら、うちの敷居を跨ぐな」と言われて以来、仕事の場では努めて標準語でしゃべるようにしてきました。当然、これまでのプレゼンテーションも標準語でやってきました。しかし、ここは奈良。奈良と言えば明石屋さんま、西川のりお。タイガースの古くは江夏、今は関本あたり。ベイスターズの番長三浦。ボクシングの名城信男、柔道の野村忠宏。みんな関西弁でしゃべってるではないか。よっしゃ、明日は関西弁で行ったれ!
ということで、上京以来苦節18年。大勢の前で初めて関西弁の素のトークでプレゼンテーションをやってみました。するとどうでしょう。前夜のホテルであれだけ噛みまくっていたのが、調子のよいことよいこと。メモに目を落とすこともなく、スラスラしゃべることができました。結果は上々。皆さまから意外な高評価をいただき、発表後の展示ブースには多くの人だかりが。お立ち寄りいただいた皆さま、ありがとうございました。
人間、追いつめられると思わぬ知恵が出るものです。が、この手は関西以外では使えません。来年の会場は金沢、ギリギリ関西弁が許されるエリアかも・・・と、少しホッとして帰路につく私でした。
Written by U
★博物館大会の詳しい内容はこちら(財団法人日本博物館協会)をご覧ください。