2011.12.17
博物館システムの未来予想図
今まであまり大きな声で言ってこなかったのですが、弊社は、「陸前高田被災資料デジタル化プロジェクト」を支援しています。メンバーの多くは東京近郊の学芸員の皆さん。うちの社員も手伝っています。詳しいことはプロジェクトのサイトをご覧ください。
先週は、被災地を訪れて打合せをしてきました。どんなことをやってるのか、については、別途正式に報告書を作ろうと思っています。
同行した学芸員の皆さんと道中いろいろな話をしました。そんな中で私にとって印象的だったのは、メンバーの、「1点を大切にする気持ち」。私は「データベースシステム屋」なので、何千、何万というかたまりで資料を見てしまいがちですが、ほかのメンバーは学芸員。他の館から預かった写真資料も、一つ一つを大切に思っているのが、会話の端々に感じられました。いつも仕事で私にいろんな話をして下さるお客さまも、みんな同じなのですね。今頃こんなことに気付くなんて、まだまだ私は修行が足りん、です。
今回は、写真や台帳を洗浄し、デジタル化する作業を行うプロジェクトなのですが、その進捗管理に<I.B.MUSEUM SaaS>を使っています。
項目が簡単に作りかえられるので、「洗浄済み」などといった作業情報を入れる欄を作って進捗情報を共有するのに便利。また、インターネット上にあるシステムなので、岩手でも進捗を見ていただけるということで、手前味噌ではありますが、わが社の製品もなかなか役立っているのでは?と、ちょっと嬉しくなったりします。
ということで私自身が「ユーザの仲間入り」をしたことになり、お客様と同じ立場でシステムを使うことが多くなりました。やってみると、「ムムッ、ここちょっと使いにくいかも」なんてことに気が付いたり、こういう機能があるとなお便利!てな感じでユーザの声と言わんばかりに開発者にわがまま言ってみたりして、社内で迷惑がられる今日この頃でございます。
話は突然変わりますが、最近、スマートフォンのテレビCMにも、「クラウド」という言葉が登場するようになりました。「クラウドコンピューティング」というのはビジネスの用語だと思っていましたが、あのような大衆向けCMに出てくると、生活に根差した一般用語になりますね。あのCMの中に、スマホで写真を撮って指でピッとやったら、クラウドを通じてPCやデジタルフォトフレームに転送される、というようなシーンが出てきます。このプロジェクトをやっていて、システムでもあれができたらいいなあと思いました。
収蔵品管理システムに登録する画像は、印刷物に使うような高精細なものばかりではありませんよね。私がユーザとしてプロジェクトのシステムに画像を登録するときも、まずはアルバムやスライドの状態が確認できる写真から、です。その段階の写真はモノが視認できればよく、スピード勝負。スマホで撮って指でピッ。システムの画像登録完了!なあんてことができたら、とっても楽ちんです。博物館の現場でも、そういうことは結構あるのではないでしょうか。受入の時、相手先で。修復や点検のとき、収蔵庫で。スマホでスイスイ画像登録ができると、収蔵品管理システムの概念がひっくり返るくらいの革命的な出来事になると思います。「クラウド」以前は考え付きもしなかったことですが、I.B.MUSEUMがクラウドで提供できるようになった今、そう遠い話ではなくなった、と思っています。皆様、ぜひご期待ください。・・・で、いいよね、SEの皆さん。