HOME > Voice & Report TOP > ミュージアムインタビュー TOP > vol.75 玉川大学教育博物館

収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

時間をかけて蓄積したデータは、ひとつの資産。
資料現物と同様に、「使う」ことが重要ですよね。

課長  遊佐 肇 さん
准教授 菅野 和郎さん

課長  遊佐 肇 さん
准教授 菅野 和郎さん

-当社システムの前は、他社製のシステムをお使いでしたよね。

遊佐さん:ええ。学内のネットワークやハードウェアとの兼ね合いで、当時の会社さんが選ばれたと聞いています。でも、その業者さんから、突然「サポートを打ち切る」という話が出まして、急遽新しいシステムを作ることになったんです。

菅野さん:以前のシステム導入の際に、その時は採用されなかった早稲田さんの当時のパンフレット、今も保管されていますよ(笑)。

-何か恥ずかしいですね、昔のパンフレットって(笑)。それにしても、「システムが突如使えなくなります」と言われても困りますよね。

遊佐さん:当時は慌てましたね。でも、環境を見直す良いきっかけになりましたよ。前のシステムは専用端末でしか使えませんでしたし、Webで公開する機能もありませんでしたから、使い続けていても発展したかどうか…。

-I.B.MUSEUMを選んでいただいた決め手は?

遊佐さん:時間をかけて、3社ほどデモを見比べました。I.B.MUSEUMは、懸案だったWeb公開機能があったことと、文字数制限がない点が良かったですね。
さらに全国での導入実績が多いことも注目していました。

菅野さん:機能とは別の部分で重要視したことがありましたよね。

-ほう? どんなことでしょう?

遊佐さん:それは、データの移行が確実にできるかということです。システムを選んでいる時期に都内の美術館が前の業者さんのシステムから早稲田さんへの移行を行っていると聞いて、進捗状況を美術館のスタッフにお話を聞きました。データも無事移行できているということを聞いて、それならきっとウチも大丈夫だ、と思いました。。

 -あ、あの美術館さんですね。思わぬことが決め手になるものですねえ…。


ガラス張りのエントランスが目を引きます。

-では、I.B.MUSEUMを導入されての印象をお聞かせください。

菅野さん:早稲田さんはたくさんの館の面倒を見る中で、きっといろんな注文を聞いてこられたのでしょうね。カスタマイズ前の段階で「よくできているな」と思いましたよ。

-ありがとうございます。実際にお使いいただくには、カスタマイズが必要だったと思いますが、その点は?

遊佐さん:以前のシステムにあった機能は、ほぼ再現できました。携帯電話と同じで、使わない機能がたくさんあっても仕方がないので、どちらかと言えば機能を絞り込むことは心がけましたよ。SEの方のアドバイスも参考になりました。

-資料の特殊性に合わせたカスタマイズもありましたよね?

菅野さん:当館の3万点ほどの資料は、半数以上が教科書ですからね。確かに特殊なのでしょうね。

-教科書というと、具体的にはどんな資料が?

菅野さん:昔の国定教科書、戦前のもの、植民地時代に現地で使われていたものなど、いろいろありますよ。

-それはすごいですね! きっとここにしかない資料なんですよね。

遊佐さん:先日もテレビ局の人が来られましたよ。戦時中のドラマの制作にあたって、当時の学校の様子や教材を調べるとかで。

-まるで国の機関のようですね。管理はどうされているんですか?

菅野さん:紙のカードの時代に、図書館司書の経験のある職員が中心になって、分類体系を考えたんです。教科書の分類は階層がとても深いので、早稲田さんも大変だったでしょうね。

-そんな経緯で完成したシステムは、イメージ通り仕上がりましたか?

菅野さん:大丈夫ですよ。概ね満足できる仕上がりです。

-よかったです。それにしても、昔の教科書はぜひ見てみたいです。

遊佐さん:昔の教科書を、授業の教材として使用することもありますよ。

-? どういうことでしょう?

菅野さん:創立者がここに博物館を置いたコンセプトが「本物に触れさせる」ということなので、たとえば所蔵する「解体新書」も、授業の一環で当館で生徒たちに実際に手にとって見せています。

-え! 手にとって? 実物を、ですか?

遊佐さん:はい。普通は教科書に小さく写真が載っているだけですよね。(写真を指さしながら)この子の表情が物語っている通り、資料を五感で感じている瞬間ですね。

-でも、怖くないですか? 資料が傷んでしまわないか、とか…。

菅野さん:もちろん取扱の注意を学芸員が行い、生徒には手袋をしてもらいます。危険はあるのですが、こうして感じてもらうことが、当館の設置目的にかなう本来的な資料の「使い方」ですからね。

-素晴らしい。凄過ぎます。


博物館は緑豊かなキャンパス内にあります。

-授業での活用、ということを考えると、Web公開は重要でしょうね。

遊佐さん:そのとおりです。でも、実際に実行するとなると、見直すべき点が出てくるものですね。教科書には、使っていた人の名前が書かれていたり、昔の通信簿にもその人の名前が出ていたりします。大学としての個人情報保護方針も考慮しないといけませんから、公開できない部分もあるんですよね。

菅野さん:画像の天地が逆になっているものもありますよ。画像データを作った時の事情もあるのだと思いますが、入力担当者がデータを作るときに考古資料の石器の上下がわからなくて、そのままになっている…とかね。

-そうした細かい修正は、公開前に済ませなければなりませんね。

菅野さん:ええ。ですから、贅沢を言えば、画像の向きを変える機能があると助かりますね(笑)。

遊佐さん:そう言えば、データの見直しでは、一括更新の機能をよく使うのですが、一度に処理できる点数がもう少し多いと便利ですね。あとは、公開の区分を「可否」だけではなくて審議中とか保留とか、細かく指定できれば良いな、と。

-なるほどなるほど(メモ)。こうしてお使いの状況をお聞きすると、足りない機能はありそうですよね。

遊佐さん:いや、あくまで「贅沢を言えば」の話ですけどね。

-これだけデータが揃っていても、資料の公開にはいろいろなハードルがあるものですね。それでも、着々と前進しておられるので、実現が楽しみです。

菅野さん:公開と一緒に、大学の授業でも活用できる方法も考えたいですね。大学の先生が授業の一環で来られたのですが、事前にお聞きしていればもっといろいろな資料をお出しできたのに、という場面がありました。

遊佐さん:先生方からすれば、「メニューがない状態で注文する」ようなものですからね。今後はスマートフォンとかタブレットPCとか、いろいろなツールで見てもらえる仕組みができるといいですね。

-そうした夢が語れるのも、こうしてデジタルデータを蓄積してこられたからこそ、ですね。

菅野さん:確かに。常駐のデータ整備職員が数年がかりで紙のカードのデータを遡って作ったものですから、ひとつの資産ですね。

遊佐さん:それを活かし切るためにも、システムをもっと使いこなせるようにならないとね。事務系の職員は割と頻繁に入れ替わりがあるので、早稲田さんで操作講習会を開催していただけませんかね?

-ぜひ考えてみたいと思います。今日はご多忙のところ、本当にありがとうございました。

<取材年月:2011年9月>

MUSEUM PROFILE

玉川大学教育博物館
緑豊かで広大な敷地を持つ玉川大学内の博物館。1969年、創立40周年を機に「教育博物館資料室」として開設してから40年以上の歴史を有し、日本教育史、芸術、民俗、考古、シュヴァイツァー関係、創立者や校史関係など、多岐にわたる資料を所蔵。現物に接することできるのが特徴で、「解体新書」をはじめ、誰もが教科書で見たことのある「あの資料」の実物を見ることができます。教育資料の聖地としてマスコミからも注目を集める個性派ミュージアムです。
ホームページ : http://www.tamagawa.jp/research/museum/index.html
〒194-8610 東京都町田市玉川学園6-1-1
TEL:042-739-8656  FAX:042-739-8654
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