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収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

思いついたことは何でも業者さんにぶつけてみることが
満足できるシステム構築のコツだと思います。
学芸員 安永 めぐみさん
学芸員 安永 めぐみさん

-他社製のシステムからI.B.MUSEUMへ乗り換えられてから、半年ほど経ちました。まず、最初のシステムを導入した時のことをお聞かせください。

安永さん:2002年の春、市のデジタルミュージアム構築の際に、当館にもシステムを入れようということになったんです。それまでは紙の台帳しかなかったので、良い機会でしたね。

-台帳での管理経験が長い館ほど、システム導入後も紙を併用するケースが多いようです。そのあたりはいかがでした?

安永さん:当館もそうですよ。実は、いまも紙の台帳を個別情報の管理に使っているんです。システムは、主にリストの管理ですね。

-なるほど。今回のシステムの切り替えでは、業者が交代しました。いろいろと期待されていたこともおありだったかと思いますが…(汗)。

安永さん:最初のシステムを導入する時は、初めてということもあって、何をどう頼んで良いのか分からなくて。運用後は何とか使いこなそうと努力したのですが、結局、途中から使わなくなってしまいました。

-はい、よく耳にするケースですね。

安永さん:そんな反省もあって、今回は「思いついたことはどんどん言おう」と。早稲田さんは、全部聞き入れてくださったんじゃないですかね。無理なものは無理と言っていただいて構わなかったんですけど(笑)。

-でも、かなり難しいご要望があって、代案でご了承いただいたこともありましたよ。

安永さん:代案でも、希望が叶ったことに変わりはないですから。「無理です」とは仰らなかったですよ、早稲田さんは。

-そういう点を覚えていてくださると、本当に嬉しいんですよ、開発者は(少し感動)。帰社したら伝えておきますね。


手入れの行き届いた前庭

-さて、実際に出来上がったシステムをご覧になって、「イメージと違った」という点はありませんでしたか? 打合せはスムーズだったようですが…。

安永さん:実は、ひとつあるんです。システムの問題ではないんですが、たとえば作家情報で「黒田清輝」と検索すると6件ヒットしてしまうんですよ。

-ん? 「黒田清輝が6人いる」ということになっているんですか? データ移行時のトラブルでしょうか?

安永さん:いえ、元のデータが原因だと思います。I.B.MUSEUMでは、作家の情報を別に登録して、作品情報と紐づけるような仕組みになっていますよね?

-ええ、仰る通りです。まさに「同じ作家が何人もいる」という状態を避けるための仕様なのですが…。

安永さん:以前のシステムでは、「作品情報のひとつの項目として」作家情報の入力欄があったんです。毎回入力するので、たとえば英語表記の欄で全角・半角を間違っただけでも「別人」になってしまうじゃないですか。要するに、もとのデータに間違いがあるみたいなんです。

-なるほど、それはお困りですね。それなら、一括更新機能を使いましょう。この機能なら全部まとめて修正できるはずですので、戻ったらSEと相談してみますね。ほかには?

安永さん:特に困っているということはないですね。要望通り作っていただきましたし。

-それは良かった。でも、「ちょっと気になる」くらいなら、何かあるのでは?

安永さん:そうですね~。あ、言われてみれば、いま所蔵歴を入力しているんですけどね。所蔵歴の順番を後で変更することって、できますかね?

-(胸を張って)履歴系の機能は充実していますよ。日付のことですか?

安永さん:いえ、明確な日付ではなくて。たとえば「何年前まではどこに所蔵されていた」というような情報が、後から判明することがあるんです。そういう場合に、すでに登録してしまった所蔵歴を、後から割り込ませることができると良いんですけど。

-あ、なるほど、そういうケースですか…。あの〜、申し訳ございません(滝汗&メモ)。

安永さん:お役に立ちますか?(笑)

-はい、宿題にさせてください…。そうそう、履歴と言えば、出品歴の自動生成機能はお役に立ちそうですか? 展示情報と一緒に、展示対象作品を無制限に登録できるようになるということで、当初はかなりご期待いただいていたと記憶しているのですが。

安永さん:もちろん使っていますよ。でも、肝心の履歴の情報が、まだ半年分しか蓄積されていないですから。効果を実感するまでには、もう少し時間が必要ですね。

-ちなみに、展示対象作品は、今回のバージョンからExcel出力ができるようになっています。年報に掲載する出品リストなども、ここから出力できますよ。

安永さん:知りませんでした! 良いですね、さっそく使ってみます。

-ぜひ使ってみてください。ほかに気になる点は?

安永さん:あとは画面のレイアウトかな? 開発中の画面をインターネット経由で確認させてもらったんですが、実際に使ってみると「あの項目はどこだっけ?」と分からなくなることがあるんです。特にタブの中に入っている情報ですね。慣れれば解決すると思いますけど。

-それ、実はほかの館でもご指摘をいただいたことがありまして。タブ切り替え画面は、「スクロールを減らしてほしい」というご要望が多かったので採用したのですが、もうひと工夫が必要なようですね。あとは大丈夫ですか?

安永さん:そうですね。サーバを美術館ではなく市側に置いたので画像の表示速度などを心配していたのですが、まったく問題ありませんし。ほぼ満足していますよ。

-良かったです。実は、「ご要望を全部お聞きできたか」と少し心配していたので、ホッとしました。


彫刻が出迎えてくれる美術館入口

-では、これから導入を検討される方へ、アドバイスをお願いします。

安永さん:やっぱり、開発業者さんに何でもお願いしてみる…ということじゃないですかね。

-仕様決定時の打ち合わせが密かどうかによって、その後の使い勝手を大きく左右するということですね。

安永さん:本当にそう思いますね。私たちは、最初のシステムをうまく使いこなせなかったという反省があって、再構築の時は言えることは全部言いました。お陰さまで、教訓として活かせたように思います。

-では最後に、今後目指したいことについてお聞かせください。

安永さん:せっかくいいシステムになったので、情報を一元化したいですね。いまは作品台帳に目録、展示のキャプションに作家ごとのファイルと、コンピュータの外で4つの情報を運用していますから、「どの情報が最新のものなのか」と混乱しないように、システムに統一していきたいです。今回付けてもらったラベル印刷機能は、その準備のためでもあるんですよ。

-素晴らしいですね。実に前向きなご姿勢で、私たちも勇気づけられます。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

<取材年月:2011年8月>

MUSEUM PROFILE

鹿児島市立美術館
黒田清輝や藤島武二、和田英作といった地元出身の優れた作家の作品や、桜島をはじめとする地元の風景画など、鹿児島らしい展示で人気の美術館。一方で、モネ、ピカソ、カンディンスキーなどの画家や、ロダン、ムーア、マリーニなどの彫刻家の作品を通じて、印象派から現代までの西洋美術の流れを紹介。かつて薩摩藩主島津氏の居城があった城山山麓に立地し、地域住民も観光客も手軽に幅広い美術の世界を体感できる、魅力いっぱいの名物美術館です。
ホームページ : http://kagoshima.digital-museum.jp/artmuseum/index.html
〒892-0853 鹿児島市城山町4番36号
TEL:099-224-3400  FAX:099-224-3409
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