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収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

稼働後に仕様変更が可能な契約形態があれば
システム導入時に感じるハードルも下がると思います。

准教授 平芳 幸浩さん

准教授 平芳 幸浩さん

-I.B.MUSEUMが稼働し始めてから、もうすぐ1年ですね。

平芳さん:そうですね。早いものですねえ。

-まずは導入前のことをお聞かせください。

平芳さん:当時は古いシステムがあったのですが、すでに動いていなかったんです。紙の台帳とExcelのリストを併用していました。

-資料点数が多いと聞いていますが、台帳での管理は大変だったでしょう?

平芳さん:その頃は、28年間にわたってずっと資料を管理してくださった先生がおられましてね。その先生が1人でほぼ把握できていたみたいですね。

-28年間…それは凄い。教員のお仕事をしながらの学芸業務は大変そうですね。

平芳さん:もともとそういう主旨でできた施設ですからね。展覧会も大事ですが、それ以上にデザイン教育上の資料管理という役割が大きくて。

-一般的な博物館とはずいぶん毛色が違うみたいですね。

平芳さん:そうなんです。教育現場で使う資料ですから、学生が触れることもありますよ。

-では、なぜシステム導入を?

平芳さん:その方が、定年退職されることになりまして。私を含めて2名の専任教員が引き継いで、収蔵資料を覚えながら管理をすることになったんです。

-うわぁ。それは一大事ですね。


資料館はエントランスの正面、
キャンパスの中心にあります。

-キーマンがいなくなるというのは厳しいですね。

平芳さん:そうなんです。私が美術工芸を、もう1人が建築図面を担当することにして、これを機に2つの分野の情報を一元管理しようという話になりましてね。それまで使っていたExcelでは、複数の職員がそれぞれに更新した場合に「どこが新しくなったのか」「どれが最新版なのか」で混乱するのではないかということで、専用のシステムが必要という結論になりました。

-弊社にお声かけいただいた理由は?

平芳さん:実は私、国立国際美術館に8年ほど在籍していましてね。I.B.MUSEUMはずっと使っていたんです(笑)。

-ありがたい話です…。その後、入札を経て弊社に決まったわけですが、教鞭を執りながらの仕様検討は大変だったのでは?

平芳さん:開発のプロセスが大変だったという印象は特にないですね。当館サイドがお願いしたことは、だいたい早稲田さんのご経験の範囲内だったんじゃないですかね。そう言えば、国際美術館時代のご担当の方、当館でもご一緒しましたよ(笑)。

-本当にお世話になっております(笑)。同じ担当者が関わっていましたので、余計に「経験の範囲内」という印象になったのかも知れませんね。

平芳さん:データベースを一本化するにあたって、美術と建築ではデータの構造がまるで違うのですが、そこはさすがに上手く両立してくださいましたね。分野をまたいでの検索もできますし、当初に描いていた意図通りには仕上がっていると思います。

-稼働状況はいかがです? 順調ですか?

平芳さん:いえ、実は「まだまだ」なんですよ。一括登録しようとして準備していたExcelのデータの中身自体がまだ整っていなくて、画像登録もなかなか進められずにいます。高精細の画像があれば、外部への提供の際もとても楽になりますから、早く整備したいんですけどね。

-画像登録は1点ずつの作業ですから、4万点となると別な方法を考えたほうがいいかもしれません。ちょっと社内で検討してみますね。ほかに、機能面で気になる点はありませんか?

平芳さん:そうですねえ…詳細画面、ですかね。タブで情報を仕分けるインターフェイスは良いのですが、裏側のタブに何の情報が入っていたかを覚えていなくて、探すのに苦労することがありますね。慣れもあるんでしょうけどね。

-タブ切り替えは、最近追加した機能なんです。データが多いとスクロールが大変なので切り替え式にしたいというご要望がかなり多かったのですが、不便が生じる場合があるということですね…なるほど(メモ)。ほかには?

平芳さん:そうそう、ユーザの権限を設定できる機能なのですが、もう少し細かくアレンジできると便利かな? たとえば「このユーザは、この項目は閲覧できるが更新はできない」とか。それから、項目の表示順なんかも、後で変更できると良いですね。

-項目設定の加減は、博物館システムの悩みどころなんですよね…。

平芳さん:たとえば、こういうのはどうですか? 契約の中に「導入後1年間の仕様変更を認める」という内容を入れるとか。特に項目まわりに関しては、後で修正できるという保証があれば、導入のハードルも下がる気がします。

-それ、いいですね! 大手さんの場合は少し難しいかもしれませんが、弊社の規模であれば対応できるかもしれません。さっそく検討しますね。


緑に囲まれた資料館の建物

-良いアイデアも出たところで、今後のビジョンをお聞かせください。

平芳さん:データが満足できるものに仕上がったら、学内、学外に向けて、情報を公開していきたいですね。大学全体への貢献にもなりますし。

-大学全体と言えば、館は良い場所にありますよね。敷地の真ん中、門から入って正面というのは、大学博物館としてはかなり珍しいと思いますよ。

平芳さん:そうかも知れませんね。大学が博物館を持っていることは多いですが、美術館があるのは、国立ではウチと東京芸術大学さんだけだと思います。

-学内でも重視されている機関なんですね。

平芳さん: 100年以上前のヨーロッパのポスターなど、デザインのコレクションとしては当館には質・量ともに日本有数だと胸を張れますよ。京都高等工芸学校の図案教育用として、1902年から収集してきましたからね。

-それはすごい…。そのコレクションを公開するだけでも、全国にアピールできそうですね。

平芳さん:人員数の不足など難しい面もあるのですが、そこを乗り越えて発展を目指したいですね。

-楽しみですね。それでは最後に、これからシステムを導入しようとしている方、検討している方にアドバイスをお願いします。

平芳さん:データベースは「身の丈に合ったサイズにスリム化するよう心がける」ということかな?

-身の丈サイズ、ですか。

平芳さん:ええ。導入する時は、「あれもこれも」と欲張りになりがちなんですよね。でも、実際に運用し始めると、日々使う情報は意外と限られているものなんです。

-確かに、そういうケースは多いですね。

平芳さん:「後で困らないように、できる限り盛り込みたい」という気持ちも分かるんですけどね。でも、早稲田さんが、「変更可能」という契約をしてくださるなら、導入時には思い切って削れますよね(笑)。

-確かに、その契約内容なら思い切ったチャレンジもできますね。弊社も本気で議論してみます。今日はお忙しい中、貴重なアドバイスまでいただきまして、ありがとうございました。

<取材年月:2011年6月>

MUSEUM PROFILE

京都工芸繊維大学美術工芸資料館
京都工芸繊維大学のキャンパスにある資料館です。国内外から集められた所蔵品は、絵画・彫刻・金工・漆工・陶磁器・染織などの美術工芸品から建築図面まで、まさに圧巻。19世紀から20世紀前半にかけて制作されたポスターなど多数の貴重品を見ることができます。ベルギーの木造建築をはじめ、ちょっと珍しいテーマの展覧会も人気。比叡山の麓の豊かな緑に癒されながら、デザインの歴史に触れることができる、一味違う京都の名所です。

ホームページ : http://www.kit.ac.jp/index.html         (京都工芸繊維大学)
       http://www.cis.kit.ac.jp/~siryokan/main.html (美術工芸資料館)
〒606-8585 京都市左京区松ヶ崎橋上町
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