HOME > Voice & Report TOP > ミュージアムインタビュー TOP > vol.67 日本大学生物資源科学部博物館

収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

システムは、導入すれば何とかなる「魔法の箱」ではない。
上手に運用していける環境づくりが重要だと思います。
平位 明子さん
田中 雅宏さん
藤井 亜依さん
平位 明子さん
田中 雅宏さん
藤井 亜依さん

−まず、システム導入の検討を開始されたきっかけからお聞かせいただけますか?

平位さん:その前に、実は私は3月で退職することになりまして。今日は後任の藤井に業務を引き継いでいる最中なんですよ。

-え? そうなんですか?

田中さん:システムは平位が担当していたのですが、そんな事情で、今日は私たちも同席してお話しをお聞きすることになりました。

藤井さん:よろしくお願いします。

-よ、よろしくお願いします。

平位さん:システムの検討を始めた頃の話、でしたよね。実は、私は当時、当館の情報整理は「Excelのリストで十分」と考えていたんですよ。

-あれ? そうなんですか?

平位さん:ええ。と言うより、「収蔵品管理システム」の存在自体を知らなかったんです(笑)。ですから「まずはちゃんとしたリストを作らないと」という意識のほうが大きかったですね。

−では、システム導入の発案はどなたがなさったんですか?

平位さん:前館長です。何かの会議に出席した時、他館でのさまざまな取り組みについて聞く中で「データベースの公開」というテーマがあったようで。

−なるほど、それがヒントになって検討を始められたわけですね。

平位さん:ええ。まず、専用システムにはどんな製品があるのかを調べようとしたのですが、ちょうどその時に早稲田さんから案内が郵送されてきたんですよ。

六会日大前駅から徒歩3分で、
生物資源科学部の看板が見えます。

−それはタイミングが良かったです。でも、いきなり導入では、準備も大変だったでしょう?

平位さん:そうですね。私としては、むしろExcelレベルでの情報整理が必要な段階だったので、リストができ上がった頃に、その時点の最新版のシステムを入れるつもりでしたから、戸惑いもありましたね。

-なるほど。そうした館側のご苦労は、弊社もぜひ知っておかなければならないことですね。もう少し詳しくお聞かせください。



−予算が通って具体的な検討を始めた時、各製品を比較検討されたと思うのですが。

平位さん:はい、比較検討はしました。大手メーカーのご担当の方にシステムの資料を届けていただいて、ご説明を受けました。その時から、御社の営業の方は、他の会社さんとは印象が全然違いましたね。

−ほう? 具体的にはどういう点が?

平位さん:まず、説明が分かりやすかったです。コンピュータに詳しくない私にも理解できるように、わざわざ図を描いて持ってきてくださったりね。こちらは知識がありませんし、手探りの状態でしたので同じ質問を繰り返しましたが、何度でも丁寧に教えてくださいました。

−でも、その時点での導入は「まだ準備が必要なのに」と思いませんでした?

平位さん:いえ、「決まったからにはやらなくちゃ」と気持ちを上手に切り替えることができました。実は、SEの方にもかなり助けていただいたんですよ。

-その時、主にどんな点で苦心されましたか?

平位さん:仕様決定の部分ですね。まずは「項目体系をどうするか」というところから壁に当たりましたので、それまでに作っていたExcelのシートをはじめ、当館の現状や考えをすべて議論のテーブルに置いて、SEの方と一緒に削っていくという作業を行いました。

キャンパスに入ってすぐ、
気軽に入れる博物館入り口。

-日常業務と並行してのことですから、大変だったでしょう?

平位さん:そうですね、やはり大変でしたね。でも、SEさんは気長に何度も付き合ってくださいましたから。おかげでじっくり整理できましたが、いま思うと本当に申し訳なかったな、と。

-いえいえ。お役に立てたなら何よりですし、むしろとても嬉しく思います。帰社したら本人にも伝えておきますね。



-ところで、今回のシステム導入は、データベースの公開が目的でしたよね。まだ公開に至っていないようですが、まさか弊社の対応に何か問題が…?

平位さん:いえ、それはないです(笑)。実は、当館側で方針の転換があったんです。当初は「何を所蔵しているのかが分かること」を優先的に考えていたのですが、説明文が記載されていないと利用者の方に分かりにくいのではないか、ということになりましてね。そこで、まずはデータの登録内容の充実を図ることにしたんです。

-それは素晴らしいことだと思いますが、1点ずつ解説を入れるというのは、本当に大変なお仕事になりますよね。専門知識が必要でしょうし、点数も多いですし。

平位さん:ええ。基礎的な情報の入力や画像の登録はボランティアさんなどに手伝っていただいているんですが、説明文を起こすのが結構大変で。私も退職することになってしまいましたし…。

藤井さん:私が後を継ぐ予定ですが、かなり大変な作業になりそうです…。

-「全部登録」を前提にすると気が遠くなる作業なので、それなら段階的に公開していくという方法はどうでしょう? 

田中さん:途中段階のものを公開するということですか?

-ええ。一度に満点を狙わなくても、「できたところから公開」でも問題ないと思いますよ。実際、そういう方法を採っておられる館も少なくないですし。

田中さん:なるほど。それもひとつの方法ですね。

平位さん:他の館の皆さんの事例は参考にさせていただけそうですね。

-はい。少しずつ計画を立てて。まずは計画作りから始めましょう。弊社もお手伝いしますから。

藤井さん:ありがとうございます。よろしくお願いします。

-手始めに、たとえば各分野10点ずつ仕上げてみて、どのくらい時間がかかったかを調べてみませんか? それをもとに残りの点数を逆算すれば、全点公開までどのくらいかかるかも分かりますし。少しでも公開すると反響があったりしますから、モチベーションも上がりますよ。

平位さん:なるほど。よし、藤井さん、頑張りましょう(笑)。

藤井さん:は、はい、そうですね(笑)。

-弊社もできる限りのバックアップをしますので、ぜひ頑張りましょう。さて、では最後に、これからシステムを導入される方にアドバイスをお願いします。

平位さん:あまり偉そうなことは言えないのですが、「どんなに優れたシステムがあっても、データベースづくりは結局職員が頑張らないとできない」ということかな。

-実感がこもっていますね。

平位さん:いままさにお話ししている通りですからね(笑)。収蔵品管理システムは「魔法の箱」ではなく、登録するのは私たちです。選ぶ時は、導入後の課題までケアしてくれるかどうか、上手に運用するための環境づくりをアシストしてくれるかどうかといった点も、着眼のポイントになるかもしれませんね。

-弊社も、つい威勢のいい話に終始しがちですから、今後気をつけていきたいと思います。本日は現場ならではのお話をたくさんお聞かせいただいて、ありがとうございました。

<取材年月:2011年2月>

MUSEUM PROFILE

日本大学生物資源科学部博物館
大型哺乳類の骨格を多数展示している、国内有数の自然科学系大学博物館。家畜や野生動物の大型骨格や剥製をはじめ、昆虫・樹木・植物などの標本、古農具や漁具など、幅広い資料が展示されています。敢えてガラスケース等に入れずに展示している骨格標本は、まさにド迫力。実物の骨に触れるコーナーも用意されている上に、大学博物館としては珍しく土曜日も開館するなど、利用者本位のサービスを実施。開放的なキャンパス入り口の雰囲気と相まって、とても親しみやすい博物館です。
ホームページ : http://www.brs.nihon-u.ac.jp/facilities/museum.html
〒252-0880 神奈川県藤沢市亀井野1866
TEL:0466-84-3800
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