HOME > Voice & Report TOP > ミュージアムインタビュー TOP > vol.68 藤枝市文学館

収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

資料を傷めず、市民サービスの向上にもなる。
画像のデジタルデータ化は一石二鳥なんですよ。
藤枝市市民文化部文化財課 大石 裕美さん
藤枝市市民文化部文化財課 大石 裕美さん

-こちらの文学館は、博物館と併設されていますが、珍しいですよね。

大石さん:そうですね。文学館というと、図書館と併設されることが多いですからね。でも、博物館が横にあると、意外にメリットも大きいんですよ。

-ほう? たとえばどんな点が?

大石さん:文学館の展示物は、原稿など平面的なものが大半です。博物館がそばにあると、たとえばある作家をテーマに展示を行う時、その時代背景に関係する資料を借りて、並べて展示することができるんです。

-なるほど、原稿の隣に当時の写真や生活用具などが並ぶわけですね。時代性を感覚的にも理解できそうで、良いアイデアですね。美術館などでも応用できそうな気がします。

大石さん:あとは、両者のバランスですね。年間の展覧会を計画する際、文学館が研究系の展示をする時期には、博物館は逆にエンタテインメント性の高いものにしたり。来館いただいた方々に両方お楽しみいただけるように、メリハリをつけるんです。

-そういう連携には情報システムも貢献できそうですね。

大石さん:環境を整える必要がありますけどね。当館は平成19年の開館時にシステム導入をできましたが、博物館は歴史がありますので、そう簡単にはいかないみたいですね。

-なるほど。では、本題の情報システムの話に。


周囲は散歩コースとしても最適

-まずは導入当時のお話からお聞かせいただけますか。

大石さん: Accessのデータは開館前からあったのですが、複数の職員が同時に利用するのには向かなかったんですね。加えて、やはり体系的な情報基盤が不可欠という結論になって、専用のシステムの検討を始めたわけです。

-弊社製品をご採用いただいた理由は?

大石さん:まず入力の文字数制限がなかったことですね。それから、パッケージだという点も大きかったですよ。ゼロから作るとなると、リスクが伴いますから。

-当時は、文学館向けの機能をパッケージ化したばかりの頃だったと思います。

大石さん:そうそう、そう仰ってました。前橋文学館さんも導入されたと聞きました。博物館でもなく図書館でもない、文学館向けの実績をお持ちというのは、大きな安心材料でした。

-でも、市の施設ですから、1社を指名することってできませんよね。

大石さん:ええ。入札になりましたが、結局、価格も早稲田さんが一番リーズナブルでしたし(笑)。問題なく決めることができました。

-パッケージは、お安く提供できるというのもメリットなんですよ。それで、弊社はご期待に沿うことができましたか?

大石さん:ええ、もちろんです。担当のSEさんは本当によくやってくださいます。とても助かっていますよ。

-ありがとうございます。でも、ただでさえ新規開館のご多忙の中、システムのお打ち合わせも並行するとなると、かなりご苦労があったのでは?

大石さん:当初は「とにかく早く慣れて、使いこなさなくちゃ」という思いで頭がいっぱいでしたね。いまは毎日使っていますが、最近、「こんな機能もあれば良かったかな」と考える余裕が出てきました。

-問題点があるようですね。ぜひ詳しくお聞かせください。

大石さん:たとえば、タックシールを出力する機能を付けてもらったのですが、シールに出力する項目が自由に設定できるとなお良かったかな。あとは「作家名 かな」という項目なんですが、並べ替えの対象にならないんですよね。これが一番不便に感じます。

-ふむふむ(メモ中)。

大石さん:五十音順の並べ替えが漢字でしかできないと、「大石」の「大」が「だい」と認識されてタ行になってしまったり。事前に気付けばお願いできたのになあ、と思うと残念ですね。せめて、そういうルールについて、システム上に注意書きを表示できれば、人事異動があっても円滑に使えると思うのですが。

-それは弊社側で気付くべきでした。申し訳ありません。

大石さん:あとは、画像を一括登録できる機能も欲しいかな。そうそう、資料1点について多数の画像を登録することがありますが、それらを一覧で印刷できるようにして欲しいですね。たとえば、絵葉書のセットは4枚1組が普通ですが、1枚の紙にまとめて印刷できると、すごく便利になるはずですよ。

-なるほどなるほど(必死でメモ)。使い始めてみると、結構出てきますねえ…。

大石さん:組織のあり方も私自身の立場も、システム構築当時とは様変わりしということ大きいかもしれません。

-え? 何かご事情がありそうですね。


天然記念物の「鬼蓮」

-何かあったのですか?

大石さん:平成19年9月の開館から半年間、市の直営で運営しましたが、平成20年4月から3年間、指定管理者制度を採用しました。その期間、私は市に在籍していて、資料整理の仕事を担当するために文学館に赴任するという立場でしたから、展覧会は指定管理者にお任せしていたんですね。しかし、この4月から直営に戻ることになって、再び展示も私が担当することになったんです。

-なるほど。それは大きな環境変化ですね…。

大石さん:資料管理と展示業務は、分業した方が効率的ですし、職員の負担も軽くなります。でも、日頃から資料をよく知る人が展示にも関わらないと、魅力を引き出すことは難しいと思うんです。

-でも、量を考えると…大変なのでは?

大石さん:確かに大変です。でも、実物を知るからこそ分かることもあるわけですからね。細かいところは臨時職員さんにお願いするとしても、私も極力、データだけでなく実物に触れる機会を確保するようにしています。

-…これからの藤枝市文学館さんの展覧会は要注目ですね。先ほどの博物館との連携も含めて。

大石さん:ありがとうございます。頑張りますよ。

-ご多忙な中ですが、館としての今後の課題は?

大石さん:画像のデジタル化を進めること、それにインターネット公開ですね。画像の整備は、資料を大切に扱う上でもとても役立つんですよ。画像提供の依頼があると、いまはその都度スキャンしているのですが、そうすると何度も強い光を当てることになるでしょう? あらかじめデジタル化しておけば、資料に負担をかけずに済みます。

-なるほど。特に文学館は紙資料が多いですもんね。

大石さん:ええ。当館には閲覧に申請が必要な「特別資料」がありますが、画像ならインターネットでも常時掲載できますから、管理にも公開にも役立つことになります。まずは現在のシステムを「誰が見ても分かる」レベルに仕上げて、市民の皆さんへの情報サービスを手厚くする。それが当面の目標ですね。

-弊社ももっと貢献できるよう頑張ります。本日はお忙しい中、ありがとうございました。

<取材年月:2011年6月>

MUSEUM PROFILE

藤枝市文学館
藤枝市民の憩いの場である蓮華寺池公園内の、水と緑に囲まれた文学館。桜、藤、サツキやショウブが並ぶ散歩道の先に、落ち着いた建物が迎えてくれます。藤枝市の歴史を学べる郷土博物館と併設されているので、藤枝市ゆかりの文学者・芸術家の生い立ちや作品とともに、彼らの時代に思いを馳せることができる施設です。休日には公園を訪れるたくさんの子どもたちも立ち寄るなど、活気も十分。心も体もリフレッシュできる地域のランドマークとして注目を集める文学館です。
ホームページ : http://www.city.fujieda.shizuoka.jp/kyodomuse_index.html
〒426-0014 静岡県藤枝市若王子500 
TEL:054-645-1100 
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