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収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

後発でもメリットがあるのが、美術館のシステム導入。
これから検討される館の方、頑張ってください。
学芸員 野田 訓生さん
学芸員 野田 訓生さん

-納品から半年ということで、このインタビューの中では最も新しいお客様になります。まずは導入が決まった経緯から、改めて振り返っていただけますか?

野田さん:前から必要性を感じてはいたのですが、県からの情報公開要請があったことが大きかったですね。「学校で美術館の作品を検索できるように」という話だったのですが、これで予算化しやすくなったかも。

-予算確保が難しい時代ですもんね…。

野田さん:ただ、ホームページにリストと画像をあげておけば済む話ではあったんですよ。でも、これを機会に学芸の情報とホームページを連動させて、皆さんへの情報を効率的に発信できる仕組みにしたかったんです。そこで、少し工夫したわけです。

-なるほど。県からの要請をもとに、より地域に役立つ形にアレンジされたわけですか。それは参考になります。


住宅街に立地し、
入りやすい雰囲気のエントランス。

-I.B.MUSEUMには以前から注目していただいていたそうですね。
 

野田さん:ええ、名前は、ずいぶん前から知ってましたから。噂も聞いていましたので、検討の時点でI.B.MUSEUMが頭に浮かびましたよ。

-ありがとうございます。でも、他社製品との比較検討はされましたよね?

野田さん:もちろん。どこにどんな差があるのか、優劣をつけるのは難しかったですけどね。素人ですから、正直、よく分からなくて。

-それでもI.B.MUSEUMを気に入っていただいた理由は?

野田さん:各社いいところがありましたが、I.B.MUSEUMなら、検索条件と検索結果が保存できるという点かな?

-地味な機能にご注目くださったんですね。あれは、他の館で何回かご要望をいただいたので、パッケージの機能に追加したんですよ。

野田さん:そうそう、ポイントはそこですね。I.B.MUSEUMの良さは、みんなが長く使ってきて、少しずつ改良を加えてきた点じゃないですか。だからこそ、細かい部分が良くできているように思えたんです。

-ありがとうございます(見ている人は見てくれている…涙目)。

野田さん:たとえば、インターネット公開と連携する事例にしても、他社さんは意外に少なかったんですよね。ここは今回のテーマだったので、早稲田さんの実績はとても参考になりました。特に「美術館の」実績という点に惹かれましたね。

-いわゆる「美術館博物館」全体ではなく、という意味ですか?

野田さん:ええ。東京国立近代美術館をはじめ、これだけ多くの美術館で実績があるなら、私たちの仕事の専門性も十分ご存じだろう、と。

-なるほど。その辺りが今回のご縁のポイントだったんですね。

野田さん:パッケージソフトと言ってもカスタマイズが必要ですから、安心感は重要ですよね。

-事前にそこまでしっかりお考えになっても、すんなり「発注」とは行かない。今の入札制度の難しいところですよね。

野田さん:そうでしたね。結局、開発期間が短くなって、SEの方には申し訳ないと思っていますよ。逆に言えば、それでも何とかしてくださるのが「実績の強み」なんでしょうね(笑)。

-だといいのですが(笑)。でも期間の短さは、館の皆様にとっても大変な作業だったでしょう? 

野田さん:そうですねえ。スタートする前に「館全体でイメージを共有できた」ことが大きかったかな。デモを拝見する時も、館長や事務方も出席してみんなで見ましたし。

-意見も活発に出て、皆さん熱心でしたよね。

野田さん:ええ。インターネット公開も、他館のサイトを一緒に調べて、最初に方向性を決めましたからね。それでもまあ、大変は大変でしたね、やはり。

-具体的には何が厳しかったですか?

野田さん:データ、特に画像の整理ですね。よく扱う作品の画像はすぐ用意できたのですが、ふだん触らない作品のポジなどをチェックしていく作業は大変でした。何十年にも渡る館の業務の履歴を見直すようなものですから、当然なんですよね。

-何十年分を一気に棚卸ししたようなものですね。あらためて、お疲れ様でした。

野田さん:ありがとうございます(笑)。早稲田さんのWebサイトで他館の皆さんが仰っている通り、データ整備の苦労を実感しました。たくさんの人が関わってきた仕事ですから、整合が取れていない部分も生じていましたしね。SEの方にもずいぶん手助けをいただきました。

-あれから半年以上が経過しましたが、問題点などは出ていないですか?

野田さん:まだ使い始めたばかりですが、やはり要望は出てくるものですね。もう少し落ち着いたら相談させてください。

-はい、何なりと(お手柔らかに…)。


ゆったりした雰囲気の建物です。
-収蔵品情報のインターネット公開を実現されたわけですが、周囲の反応はいかがです?


野田さん:上々ですよ。公開開始の時には、地元新聞各社を呼んでデモをしましたし。

-特に、どんなところが好評ですか?

野田さん:作品がいま当館にあるか、他館にあるかがサイト上でも表示されている部分とか。貸出情報と公開情報を連動させた甲斐がありました。

-なるほど。まさに管理と公開の連携の成果ですね。

野田さん:県庁内でも好評のようですよ。美術館の作品情報が必要になった時、所属品目録を持っている職員を探さなくても、デスクで全部わかりますからね。そうれそう、異動した前の上司からも「ホームページを見たよ。よく実現できたね」という電話がありました。

-長い間の念願だったわけですね。お手伝いできて良かったです。では、これから導入される方にアドバイスをお願いします。

野田さん:当館は、県立規模の美術館としては導入が遅れた方だと思います。でも、逆に「遅くてよかった」部分もあるのかもしれないな、と。昔のシステムでは、管理情報と公開情報がここまでうまく連携できなかったでしょう。

-確かに、それはありますね。

野田さん:最新の機能が使えるわけですから、これから導入される館の皆さんは、きっと私たちより上手にできるはずですよ…と申し上げたいですね。

-以前と比べれば、画像の扱いやすさなども段違いですしね。

野田さん:その通りですね。電子画像を扱う機会が激増してきましたから、導入と同時に職員みんなが飛びつきましたよ(笑)。

-他に、何か気を付けたいことは?

野田さん:公立の施設の場合は、本庁の情報システム部門に早い段階から話をしておくと良いんじゃないかな。今回、館でサーバを持たなくて済んだり、うれしい協力も得られましたから。

-なるほど、それは参考になりますね。本日はご多忙の中、ありがとうございました。システムについての具体的なご指摘やご意見など、今後もぜひご指導くださいね。

 

<取材年月:2009年10月>

MUSEUM PROFILE

福井県立美術館
近・現代の洋画や日本画、岩佐又兵衛や曾我派といった福井ゆかりの作品のほか、西洋版画などを数多く所蔵。特に大観、春草、観山など岡倉天心ゆかりの作家や、再興院展関係作家の日本画が充実しています。金銅仏、刀装具、喫煙具、貨幣といった「岡島コレクション」なども観られる館内は重厚な印象ですが、福井市の住宅街の中とあって、どこか親しみやすい雰囲気も。作品情報のインターネット公開が実現したことで、地域での存在感もこれからさらに増していくであろう、注目の美術館です。
ホームページ : http://info.pref.fukui.jp/bunka/bijutukan/bunka1.html
〒910-0017 福井県福井市文京3丁目16-1
TEL:0776-25-0452
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