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収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

すべては、特別な思いを持って来館される方々のために。
特別なものをお預かりする以上、「事情」は関係ないのです。
普及協力課主任 西川 理さん
震災資料専門員 水本 有香さん
震災資料専門員 惣田 くみ子さん
震災資料専門員 佐藤 ちなみさん
普及協力課主任 西川 理さん
震災資料専門員 水本 有香さん
震災資料専門員 惣田 くみ子さん
震災資料専門員 佐藤 ちなみさん

-こちらは、とても珍しい施設ですよね。前例がないデータを扱うデータベースシステム構築ですから、お聞きする前からご苦労をお察ししてしまうのですが・・・。

水本さん:そうですね。このセンターができる前ですから00年頃でしょうか、「大量に集まってくる大震災の資料をデータベース化して残していかないと」という話が出たらしいんです。その当時、エクセルやアクセスで整理を始めてはいたんですが、とにかく種類が多すぎて。

-そうでしょうねえ。資料の体系がちょっと思いつかないです。

水本さん:そうなんですよね。センター開設後も「資料の定義」が一番の難問でしたね。何しろ、本当にいろんなものがありますから。

-たとえば、どんなものがあるんですか?

水本さん:当時の写真はもちろんですが、被災者の方が撮影された8ミリビデオの映像から、避難所で書かれたメモの類いまで、幅広くお預かりしています。

佐藤さん:災害資料としては珍しいものもありますよね。地震で変形した「側溝」とか、復興の道程がわかる復興イベント資料とか。

水本さん:だからこそ、分類方法が難しい。データベースづくりは、項目名を決めていくことから始めたようですよ。

佐藤さん:そのまま防災関連資料になると同時に、被災の記録そのものですから、私たちも気が引き締まります。

-うーん、今お聞きしただけでも、大変さをお察しします。そんな中で、I.B.MUSEUMを利用しようとお考えいただいたのは?

水本さん:いくつか比較した中で、I.B.MUSEUMが最もリーズナブルだったらしいですよ。うちの資料体系はとても複雑ですから、皆さん心配なさったのかもしれませんね(笑)。あと、当時の担当者には「仕様を相談する段階からこちらの意思が伝わっている感じがしたので」と聞いていますけど。

-当社のSEは、特殊な文化施設のシステム構築の経験がありますので、それも影響したのかもしれませんね(注:導入館インタビュー「船の科学館」をご覧ください)。


震災の発生した時刻の時計の針が
デザインされた「鎮魂の碑」

-実際に導入していただいて、I.B.MUSEUMはいかがですか?

惣田さん:今はもう、このシステムがないと仕事になりませんね(笑)。みんな、頼りにしていますよ。

水本さん:とは言え、途中でサーバを交換しなきゃいけなくなったり、I.B.MUSEUMを再インストールしなければならなくなったり・・・いろいろあったんですよ。と言いつつ、私も頼りっぱなしなんですけどね(笑)。

-ありがとうございます。恒例なんですが、100点満点で何点いただけますでしょうか?

(4人、顔を見合わせて沈黙)

-・・・ど、どうかなさいました・・・?

水本さん:実は、西川を除いて、私たち3人は明日で退職するんです。その前に、早稲田さんにお願いしておきたいことがありまして。点数は、その後でもいいですか?

-そうなんですか・・・。こういう機会ですから、何なりとお申し付けください。

西川さん:みんなが言いたいのは、サポートのことなんです。確かに、距離の問題がありますから「今すぐ行きます!」なんてことは無理だと思うんですけど、もうちょっと早く対応してただけないかな、と。いろいろと困ったことがありまして。

-たとえば、どんなことですか?

惣田さん:特に、何らかの理由でシステムがダウンしてしまった時、ですね。ソフトは関係なくてハード側のトラブルがあったとしても、もう少し早く対応できるようになれば。うちの資料は、「ここにしかないもの」ですしね。

-確かに、資料の内容を考えると、「ちょっと待って」では済みませんよね・・・。

佐藤さん:何千人もの人が亡くなった災害の記録、ですからね・・・。

惣田さん:心の傷がようやく癒えて、当時の資料を紐解こうと意を決して来館された方に、「いま故障中なんです」「修理はちょっと先になるので今は出せません」とは言えませんしね。そもそも、そうした皆さんへの情報提供もセンターの使命ですから。

-・・・・・・(実はインタビュアーの実家も被災している)。

水本さん:早稲田さんは東京の会社だし、社内的にも事情がおありだということはみんな判っているんですが、来館者さんのことを考えると・・・ね。

西川さん:みんな言ってますが、I.B.MUSEUM自体は誰もが評価しています。だからこそ、無理を承知でお願いしたいんですよね。

-お話はよく判りました。申し訳ありませんでした。社の体制を見直していきます。


「防災未来館」のロビー。
エスカレーターを昇ると資料室です。

-I.B.MUSEUMそのものについては、いかがですか?

西川さん:業務の基幹をなしていることはもちろんですが、新しいスタッフがセンターの運営にすんなり入っていけるようなクッションの役割も果たしてもらっていますよ。たとえば、今回はデータを作り上げてきた3人が退職するというピンチを迎えているわけですが、書類で引き継ぎしなければならなかったと思うと・・・大変だったでしょうね(笑)。

-ありがとうございます。逆に、改善が欲しい点などはおありですか?

水本さん:先日、営業の方からI.B.MUSEUM 2005 の新しい機能について聞きましたけど、入力文字数に制限がないという機能は、いいですね。あとは、文中に「空白」を入れても成立するようにできないかな、と。

-空白、ですか? それはなぜですか?

水本さん:地元の個人の方々からお預かりする資料は、データ管理の視点から見ると、どうしても不完全になりがちなんですよね。それでなくとも、資料の体系って変わっていきますから、不完全なまま登録してもスイスイ検索できると便利だと思いますよ。

-なるほど。もし、他館のシステム導入についてアドバイスを送るとしたら、そのあたりになりますか?

西川さん:そうですね、「将来の変化に準備しておく」ということは、大切だと思いますよ。とは言っても、実際にやってみるとなかなか難しいところなんですけどね(笑)。

水本さん:そうそう、点数でしたよね。そんなわけで、I.B.MUSEUM自体への評価は80点。サポートは、うちの特殊な事情もあるので50点としておきましょうか。私たちは退職しますが、期待していますので、宜しくお願いしますね。

-ありがとうございます。本日は、とても勉強になりましたので、さっそくいろいろ講じたいと思います。また、水本さん、惣田さん、佐藤さん、本当にお疲れさまでした。西川さん、今後とも宜しくお願いいたします。
 

<取材年月:2006年4月>

MUSEUM PROFILE

人と防災未来センター
阪神大震災の経験を語り継ぎ、その教訓を未来へ活かすために作られたミュージアムです。震災資料の展示だけではなく、災害対策ができる人材の育成や、現地支援なども行なっています。資料室の端末では、当時の写真を検索し、数多く見ることが出来ます。子供の団体客も多く、震災資料から命の大切さを教育しているとのこと。阪神大震災の経験が以後の災害対応に役立ったとも言われていますが、そういう意味でもますますの活躍が期待されるミュージアムです。
ホームページ : http://www.dri.ne.jp/
〒651-0073 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2
TEL:078-262-5050
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