HOME > Voice & Report TOP > ミュージアムインタビュー TOP > vol.24 トヨタ博物館

収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

悩んだ時は、「なぜ?」を5回繰り返す。
その結果「関連ファイル機能」に解決のヒントを見つけたんです。
学芸グループ 学芸員 藤井 麻希さん
学芸グループ 学芸員 藤井 麻希さん

-トヨタ博物館さんには、I.B.MUSEUMの紹介資料に寄稿をいただいたり、何かとお世話になっております。まず、導入されたきっかけをお聞かせください。

藤井さん: 早稲田さんの製品で、「E.Q.GUARD」という耐震マットを扱っておられますよね? あの資料を取り寄せた時、I.B.MUSEUMの資料が同封されていたんです。収蔵品の情報管理も、ちょうど懸案のひとつだったんですよね(笑)。

-面白いきっかけですね。いつ頃のお話でしょうか?

藤井さん:99年ころだったかな? それをきっかけにソフトウェアの展示会なども見て回ったのですが、当時は「画像の美しさ」をアピールポイントにしたものが多かったですね。私たちが希望しているものとはちょっと違うな、という印象を持ったことを覚えています。

-具体的なご希望をお持ちだったのですか?

藤井さん:ええ。その頃は、資料管理の基本は紙の台帳で、人によってExcelやAccessも使うという感じで、何とか統一したかったんです。だから、画像処理の話よりも、価格、検索速度、汎用性、操作性の4点が、比較のポイントでしたね。

-そんな中でI.B.MUSEUMをお選びいただいた決め手は?

藤井さん:まず「画像をたくさん登録しても操作の速度が落ちない」という点が印象に残りましたね。とにかく早くていいな、と。Accessやファイルメーカーの場合、画像を増やすと、どうしても重くなるのが問題でしたから。

-基本的なことですが、重要性は今も同じですよね。参考になります。


大きな赤い看板が目印です

-紀要を拝見しましたが、各年度を辿って読んでいくと、システムが毎年着実に改善されている様子がよくわかりますね。私たちが読んでも、大変勉強になります。

藤井さん:御社のSEさんに助けていただいたおかげですよ。お世辞じゃなくて(笑)。

-ありがとうございます(笑)。でも、紀要の中に、こうも書いてありますね。「本格的な稼動に予想以上に時間がかかった」と・・・これ、弊社の問題では?

藤井さん:いえ、逆なんです。四苦八苦している時、ぼんやりと悩みを相談すると、SEさんは具体的な言葉や解決策に置き換えてくださって、「そうそう、それそれ!」という感じでした(笑)。辛く感じた時は期間を区切って目標を立ててくださったり、こちらが説明しなくても状況で判断してくださったり・・・本当に助けていただきました。

-そこまで褒めていただくと、本当に恐縮します(インタビュアーが褒められているんじゃないけど・・・汗)。ところで、紀要によると、初年度のデータ登録件数が450件。ちょっと少ないように感じますが・・・。

藤井さん:そうなんです。導入した直後は、あまり使われない状態でした。

-それって、もしかして・・・(超弱気)。

藤井さん:そんなに心配なさらずに(笑)。当時は、端末台数も少なかったですし。当社の問題解決のシステムとして、「『なぜ?』を5回繰り返して、本当の原因(真因)を突き止めろ」というのがあります。「なぜ使ってくれないのだろう」と私なりに考えてみて、2つのポイントに気が付いたんです。

-それそれ! I.B.MUSEUMのユーザさんに限らず、多くの館がお悩みなんですよ。

藤井さん:ご参考になるかな? ひとつ目は、スタッフが「資料を見たい」と思わせるデータになっているか、ということでした。とにかく画像を強調することが重要だと思いまして。画質は粗くてもいいので、まずは「所蔵品の情報を開くと、その画像が目に飛び込んでくる」ようにすればいいんじゃないかな、と。

-なるほどなるほど。「見た瞬間」の印象は、かなり重要ですものね。

藤井さん:もうひとつは、I.B.MUSEUMの関連ファイル機能がポイントでした。

-!!(きたー! インタビュアーが密かに誇りに思っている、隠れた看板機能!) そ、そのあたりは、ぜひ詳しく語ってください(身を乗り出す)。

藤井さん:システム導入では、昨日までExcelで管理していたスタッフに対して「今日からこっちね」とお願いすることになりますよね。でも、「今日から」Excelのワークシートを一切見ないようにするなんて、あり得るとお思いになります?

-なるほど! 「Excelの仕事は、むしろ、しばらくExcelのままで」と・・・。

藤井さん:その通りです。そのExcelファイル自体をI.B.MUSEUMで「関連ファイル」化したんです。システムを使いながら既存のワークシートを開けるようにして、「ほら、こっちのシステムでも見られるでしょ?」と。説明会も、何度か開催しましたしね。

-(それだ・・・)真剣に良いアイデアですね・・・。他館でも、参考にしていただけるケースが多いと思います・・・(思考フル回転中)。


来館者でいつも賑わっている情報コーナー

-さて。2005年の紀要では、動画情報のことがテーマになっているようですね。

藤井さん:そうなんです。当館では、クラシックカーの動態保存が大きな特徴となっております。走行シーン等を撮影してデータベースに保存していこうということですね。今は50車種くらいの収録が完了していますが、まだまだ、これからなんですよ。

-私も先ほど、情報コーナーの端末で拝見しました。クラシックなクルマが走る姿は、マニアにとっても魅力でしょうね。DVDにして販売しないんですか?(笑)

藤井さん:男性はお好きな方が多いですよね〜(笑)。昔の車はデザインに味がありますし、エンジン音も魅力的だったと仰る方が多いんですよ。

-本当にその通りですね。個人的にも楽しみにしています。さて、ここで恒例の質問をば。I.B.MUSEUMを100点満点で評価すると、いかがでしょうか?

藤井さん:う〜ん。90点くらいかな? ホントは満点と言いたいところですが、それだと改善の余地がなくなっちゃいますし。

-ありがとうございます。では、その10点部分について教えていただけますか?

藤井さん:SEさんにはすでに相談していることなんですけどね。画像を切り替えるときの速度、それから貸出システムの検索の一部で、改善を考えています。

-なるほど。これまで同様、しっかりやらせていただきます。さて、ここまでのご経験から、これから導入を考える館の方に、アドバイスをお願いします。

藤井さん:システム導入からデータ入力を経て、館の職員の皆さんに使ってもらうまでは、大変キツい仕事になるはずです。でも、今やらないと、後々、もっと困ることになるわけですからね。無理に押し付けるのではなく、「気持ちよく使ってもらうにはどうすればいいのだろう?」と一生懸命考えることがポイントだと思いますよ。

-「『なぜ?』を5回繰り返せ」ですね。今日はタメになるお話をたくさん伺いました。今後も、ぜひご指導をお願いします。本日は本当にありがとうございました。

<取材年月:2006年9月>

MUSEUM PROFILE

トヨタ博物館
世界中から収集した「100年間の自動車文明の業績」を体系的に展示する、文字通りの「クルマの博物館」。ガソリン自動車が誕生した19世紀末から20世紀の自動車の歴史を、実用車を中心に約120台(2階欧米車、3階日本車)の車両が展示されていて、クルマ好きには最高の空間です。1台1台のクルマに垣間見る、当時の人々の息遣い、そして時代の変遷。「人とクルマの100年の歴史」を感じずにはいられない、スケールの大きな博物館です。
ホームページ : http://www.toyota.co.jp/Museum/index-j.html
〒480-1131 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41-100
TEL:0561-63-5151
資料のご請求はこちらへ。 — 美術館・博物館向け収蔵品管理システムから、実務に役立つ読み物まで。

PAGETOP