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収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

管理システムは、もともと、利用者サービスのためのもの。
「導入すれば問題解決」とは思わない方がいいですよ。
事業グループ主査 学芸員 浅見 泰志さん
事業グループ主任 学芸員 梅津 あづささん
事業グループ主査 学芸員 浅見 泰志さん
事業グループ主任 学芸員 梅津 あづささん

-このインタビュー企画を始めて間もなく1年になりますが、「入間市博物館さんを参考にしてシステムを考えた」という館が結構多かったんですよ。弊社とは、相当長くお付き合いいただいていますよね。

浅見さん:そうですね。当館は平成6年のオープンなのですが、準備室時代に当時の社長さんが営業に来られていました。あの頃は早稲田さんも美術館しか事例がなくて、当館のシステムも美術館向けのものをカスタマイズして作ってもらったんです。

-そうだったんですか。では今のI.B.MUSEUM 2005 の博物館版は、入間市博物館さんが礎を作ってくださったようなものなのですね。実際に導入されたシステムは、いかがでしたか?

浅見さん:それが……正直、導入当時は使いづらい点が多かったですね。早稲田さんにとっても、博物館は初めてだったということもあったんでしょうね。

梅津さん:私たちも初めての経験でしたから、設計段階で項目をたくさん設定しすぎちゃって(笑)。それに、当時は「画像ならMacでしょ」という考え方が一般的だったのですが、あの頃のMacをデータベース・システムの中核として使うのは無理があったようで。検索に数分かかったり、フリーズしたり…とにかく、ストレスを感じましたね。

-け、検索に……数分……(唖然)。

梅津さん:あ、昔の話ですよ(笑)。そんなわけで、部門によってはほとんど使わなくなってしまったこともありました。それで、6年前のシステムのリニューアルでは、特に処理のスピードに重点を置いたんです。

-当時は随分ご迷惑をおかけしていたんですね…。本当に申し訳ありません。

浅見さん:SEさんは頑張ってくれていたのですが、各部門からの要望が多過ぎて、余計に複雑になってしまった気がします。私たちがパソコンを知らなかったことも問題だったんですけどね(笑)。でも、あの5年間の経験がムダではなかったことは確かですよ。

-スピードの話以外に、リニューアルの時に特に重視した点は?

梅津さん:活用されなければ意味がありませんから、まずは「どうすればみんなが使ってくれるか」を一生懸命考えました。その結果、受入管理システムに注目したんです。

-受入管理機能が稼働率を上げるということですか? もう少し詳しく教えてください。

梅津さん:資料を受け入れるときに、書類を作るプロセスが必ず発生しますよね。その工程自体を、システムに組み込んでもらったんです。そうすれば、いやでもデータを入力することになりますからね。

-なるほど。業務フロー上、システムを使わざるを得なくしていくわけですか。それはいいアイデアですね。

梅津さん:もちろん、システムの処理速度などに問題がないことが前提ですけどね(笑)。

浅見さん:当時としては画期的だったと思いますよ。公共の施設ですから、書類上の報告の機会は何度もあります。受け入れたその場で入力するという業務の流れにしておくと、その後に発生する報告書類も楽に作ることができますよね。

-I.B.MUSEUM 2005 で追加された受入管理システムは、入間市博物館さんのシステム稼働率アップのアイデアだったんですね…。勉強になります。


ALITの愛称で市民に親しまれる博物館。

-冒頭で、こちらをお手本にされる館が多いという話をしましたが、情報発信という点でもかなり早くから取り組まれていますよね。

浅見さん:当初から情報公開が前提でしたよ。先行事例がない中で、開館と同時に来館者向けの検索端末を用意しなければならなかったので、プレッシャーも大きかったですけどね。紙のカードの入力を完了した状態で開館を迎えるのは、今考えてもキツい(笑)。

-内部使用向けのデータベースを整えるだけでも大変ですし、そもそも開館準備には他に膨大なお仕事がありますよね。しかも、その頃はまだインターネットの存在すら認知されていないような時期だったわけで…。

浅見さん:市の情報政策がとても積極的だったんです。当時、ケーブルテレビを活用した双方向の情報のやり取りが計画されていたりしましたから。

-「双方向」ですか。今でこそ当然の話ですけど、その頃は誰も考えていなかったような話ではないですか? すごいですね。

浅見さん:私たち自身にも、あらゆる形で「博物館」を利用してもらおうという思いは強くありましたね。とにかく、いろんな要素を情報として提供しよう、と。

-それは素晴らしいことですよね。それだけに、システムが応え切れなかったということは本当に残念です。

浅見さん:いえいえ、こちらが欲張っていろんなことをお願いした上に、当時のコンピュータ環境では限界もありましたし。

梅津さん:それに、使う側の気負いもありました。もちろん、情報を「使える状態」にしておくことは公共施設としての使命なんですが、「一刻も早く共有しなければ」と焦るほど、当時のシステムの処理能力との間にギャップが生じると言うか(笑)。

-でも、こうしたお話を伺うと、他の館の方々が入間市博物館さんを教科書にしようとするお気持ちが、改めて分かる気がします。


門から建物まで、
紅葉の並木道が続きます。

-では、恒例の質問です。弊社及びI.B.MUSEUMを100点満点で採点すると?

浅見さん:そうですね〜。点数は付けにくいけど…まず、初代システムは50点くらい?

梅津さん:一生懸命やってくださったSEさんには申し訳ないですが、それくらいですかね…。でも、リニューアル後なら、80点は付けられると思いますよ。

-お気遣いいただいてありがとうございます。この後、3代目のシステムを検討されることになると思いますが、課題や構想を教えていただけますか?

梅津さん:あまり大規模なシステムはもう要らないかな? と思っています。それほど使わなかった機能などを削っていって、全体をコンパクトにまとめたいですね。

浅見さん:そうですね、大きく変更が必要な部分はないと思います。今のシステムを活かしながらどう改善するか、ということですね。

-今後も模範館となっていただけるようなアイデアを提案できるよう、弊社も頑張ります。では、これからシステムを導入される方に、アドバイスをお願いします。

梅津さん:まず、「システムを導入すれば解決する」とは思わないことでしょうね(笑)。使ってみて、その中で見つかる問題点をSEさんに伝えながら充実させていくことが大切だと思います。

浅見さん:それから、「システムを入れれば人員を少なくできる」という考え方も控えたほうがいいでしょうね。結果的にそうなることもあるでしょうが、前提に置くのは危険かな、と。システムは、利用者サービスを充実していくためにあるのですから。

-なるほど、利用者への貢献を念頭において、常に改善を重ねるということですね。本日はいい勉強をさせていただきました。ありがとうございました。
 

<取材年月:2006年11月>

MUSEUM PROFILE

入間市博物館
武蔵野の面影を残す自然の豊かなまち、入間市の総合博物館。Art-Archives、Library、Information、Tea の頭文字を取ってALITという愛称で親しまれています。お茶についての常設展示室があるのが、当地の博物館らしいところ。世界各地のお茶を体験できたり、ALITお茶大学を実施したり、お茶関係のイベントはとにかく多彩。市民ギャラリーを提供する美術館的機能があり、閲覧・視聴できる図書や映像ソフトも充実、市民広場ではコンサートやお祭りが開催されるなど、多様な楽しみ方ができる地域の「エデュテインメント・スポット」です。
ホームページ : http://www.alit.city.iruma.saitama.jp/
〒358-0015 埼玉県入間市二本木100
TEL:04-2934-7711
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