HOME > Voice & Report TOP > ミュージアムインタビュー TOP > vol.30 福生市郷土資料室

収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

何年もかけて、少しずつ作ってきたデータベース。
皆さんに情報を公開して、それ自体が財産であることを知りました。
福生市教育委員会 社会教育課 文化財係 
主事 菱山 栄三郎さん
福生市教育委員会 社会教育課 文化財係 
主事 菱山 栄三郎さん

-福生市郷土資料室さんは、昨年システムをリニューアルされていますね。何世代かにわたってI.B.MUSEUMをご愛用いただいていると聞いています。

菱山さん:そうですね。今回のリニューアルで4世代目でしょうか。

-4世代! すごいですね。初回導入はいつごろですか?

菱山さん:私が入庁する前、平成3年だったと聞いています。当時はI.B.GALLERYという名前だったとか。

-よくご存じですね…I.B.MUSEUMの前身です。本当に長い間ありがとうございます。3回のリニューアルの際、他の製品との比較や入札などはなかったんでしょうか。

菱山さん:もちろん、そういう話はありますよ。でも、当館のデータベースは、I.B.MUSEUMと一緒に進化してきたものですからね。特殊な分類方法や業務の流れを考えると、やはりI.B.MUSEUMという結論になりますよね。

-なるほど。では、私の勉強にもなりますので、各世代のI.B.MUSEUMについて、お聞きしたいと思います。なんだかワクワクしてます(笑)。


図書館と併設され、地元の人たちに
親しまれる施設です。

-では、一番古いところからお話いただけますでしょうか。

菱山さん:私は平成8年の入庁なのですが、ちょうど第1世代から第2世代に切り替わる時期でした。この仕事がしたくて、入庁前からいくつかの博物館でアルバイトの経験もあったのですが、当時はどこも紙の台帳でしたから、I.B.MUSEUMを見て「進んだ博物館だなあ」と思ったものです。

-平成8年当時でしたら、今のようにコンピュータが身近ではないときですよね。

菱山さん:ええ。でも、画面ひとつで台帳が収まっていましたし、項目数を絞って入力しやすい形を作ってくださっていましたよ。ただ、画像の登録が大変でした。手間がかかりましたし、操作も間違いやすくて。デジカメも出たばかりの頃ですから、画像自体も荒かったですし。

-第3世代になって、画像登録の問題点は解消しました?

菱山さん:解消とまでは行きませんでしたね。ただ、大小の画像を自動生成できるようになったのは便利でした。第1世代・第2世代の全体的な画面の見やすさは踏襲していましたし、使いやすくなったな、と。

-なるほど。そして昨年の第4世代になるわけですが、現行のI.B.MUSEUM 2005 ですし、私としてもとても気になります。

菱山さん:今回のリニューアルは、これまでとはまったく違った意味を持っているんです。「インターネットで収蔵品情報を公開する」という大きなテーマがありましたからね。多摩地区の博物館でそこまでやる館はないと思いますし、常時展示していないものをネット上でご覧いただくという、大きな意義を持つプロジェクトでした。

-すばらしい話ですね。弊社はそのテーマに対して、お役に立ちましたか?

菱山さん:ええ、もちろんです。かなり無理を言ったと思いますが、とてもよくやってくださいましたよ。おかげで、とてもいいものができたと思っています。

-ありがとうございます。今回の情報公開化は円滑だったようですが、何世代にもわたって整備されてきたデータ環境が大きな役割を果たした、ということでしょうか。

菱山さん:それは言えますね。たとえば、公開している2400件ほどのデータは、すべて「画像付き」なんですよ。

-第1世代の頃から積み上げてきたデータが花開いたわけですね。弊社が言うのもなんですが、当時の画像登録環境の問題にへこたれず、よく続けてこられたものだなあ、と。

菱山さん:密かに自慢だったりするんですけどね(笑)。実際に、インターネットで資料を見たことがきっかけで、実物を見に来られた方もいらっしゃいますよ。

-(ここまでは理想的な流れだ…) さて、恒例のアレを。I.B.MUSEUMは、100点満点で言うと何点くらいいただけますか?

菱山さん:そうですねえ。85点くらいですかね。

-(…あれ?) 15点、減点がありますね。今後のために、ぜひそこをお聞かせください。


落ち着いた木立に囲まれ、
散歩コースとしても最適です。

-そう言えば管理側のお話をお聞きしていませんが、減点はその部分ですか?

菱山さん:そうなんです。管理側の画面は、これまでのリニューアルの中でもっとも大きく変わりました。私たちも対外的な情報発信に力が入っていたので、あまり細かい要望を言わなかったのですが…。

-何か、使い勝手などでご不便が?

菱山さん:第3世代までは、1画面ですべて見ることができた基本情報画面が、スクロールしなければならなくなってしまいまして。逆に、検索結果の表示は、スクロールではなくて改ページされますよね。件数が多い時には少し探しにくいかな、と。どちらも、慣れの問題なんでしょうけどね。

-システムに慣れた館には、Webインターフェイスがむしろ使いにくい場合もあるわけですね…(メモ)。他の点はいかがでしょう?

菱山さん:文字数制限がなくなったり、画像の解像度が上がったりしたのはいいのですが、以前に登録した情報とのバランスが悪くなったかな? まあ、早稲田さんのせいではないんですけど。

-なるほど。以前のデータはそのままですもんね。こちらが良かれと思ったことでも「ありがた迷惑」になることもあるんですね…。

菱山さん:でも、利点のほうが多いんですよ。収蔵品データには、協力してくださる方の個人情報が含まれることがありますが、公開の可否をクリックひとつで決めることができたり。こういう機能は、助かりますよね。

-ありがとうございます。では、情報公開についての今後の展望をお聞かせください。

菱山さん:掲載情報を増やしたり、内容を刷新したりといった基本的な更新は当然ですが、子供向けのコンテンツを作りたいですね。

-子供たちにとっては、地域を学ぶ情報の宝庫になりますよね。ぜひお手伝いさせてください。では最後に、4世代にわたってお使いいただいた経験から、今後システムを検討される館にアドバイスをお願いします。

菱山さん:私たちの仕事は、「一部の人間がわかっている」という姿勢ではダメだと思います。地域の財産を扱うわけですから、人事異動などに備えて万人に理解できる方法で整理しておくことは、もはや「義務」だと思うんです。データベース・システムは、環境の変化に左右されない情報伝達基盤となりますから、導入をお考えになるのはとても意義のあることだと思いますよ。こうして情報公開に踏み切ってみると、長い期間をかけて作り上げたデータベースは、それ自体財産のように感じますから。

-何年もかけて作り上げたデータベースは、それ自体が財産…。とても勉強になりました。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
 

<取材年月:2007年1月>

MUSEUM PROFILE

福生市郷土資料室
自然環境の豊かな「文化の森」の一角に位置する、昭和55年4月開館の博物館。住宅街に近接しつつも、木立に囲まれ、思わず散歩したくなる空気からは、あの国木田独歩の作品世界の面影が漂います。市立中央図書館と併設された形であるだけに、平日でも人々で賑わっており、発展目覚しい福生市の基盤を支える文化施設であることを窺わせる存在感。茶室まで用意された館内もさることながら、市への愛着が伝わってくるホームページも充実のひとことで、コンパクトにまとめながらも、質・量ともに市民生活・市民文化に根ざす姿勢が伝わってくる情報が公開されています。
ホームページ : http://www.museum.fussa.tokyo.jp/
〒197-0003 東京都福生市熊川850-1
TEL:042-530-1120
資料のご請求はこちらへ。 — 美術館・博物館向け収蔵品管理システムから、実務に役立つ読み物まで。

PAGETOP