HOME > Voice & Report TOP > ミュージアムインタビュー TOP > vol.34 (財)渋沢栄一記念財団 渋沢史料館 実業史研究情報センター

収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

疑問に思う点は、遠慮せずにぶつけてみることが大事。
館と開発側のコミュニケーションが、良いシステムづくりの基本です。
渋沢史料館 館長 井上 潤さん
実業史研究情報センター 専門司書 茂原 暢さん
渋沢史料館 館長 井上 潤さん
実業史研究情報センター 専門司書 茂原 暢さん

-渋沢史料館さんがI.B.MUSEUMをご覧になったのは、ずいぶん前のことだったそうですね。

井上さん:ええ、もう15年ほど前になりますかね。当時の営業の方が飛び込みで来られたんですよ。その後も月に1回ほど、情報交換がてら訪問してくださいましたね。

-15年前と言うと、かなり初期の製品ですね。その時の印象は?

井上さん:正直なところ、「博物館では使えないだろうな」と思いました。あの頃は、今以上に館ごとの資料管理方法の違いが大きかったですからね。館内に張り付いて管理してもらわなければ、というような感覚だったんです。

-つまり、パッケージ製品は無理だと。

井上さん:ええ、そうなんです。何年か経って、入間市博物館さんがI.B.MUSEUMを導入されたという話を聞いて見に行ったのですが、驚きましたね。

-と仰いますと?

井上さん:数年の間に、すごく進化していたんです。「これなら使えるかも知れない」「いずれウチにも導入したい」と思う出来でしたよ。

-それが実現に向かって走り始めたのが…。

井上さん:2003年11月、史料館の拡充をはかると同時に、財団あげて所蔵資料の情報資源化に本格的に乗り出し、実業史研究情報センターを発足させたところからです。所蔵品の台帳を抜本的に作り直すことになりましてね。実物をチェックしながら、I.B.MUSEUMの存在を思い出したというわけです。

-10年越しで具体的な話に繋がったんですね。


新緑に映える銀色の建物が目印。

-収蔵品管理システムも、その頃にはいくつか選択肢があったはずですが、I.B.MUSEUMを選んでいただいたポイントはどんなことだったのでしょう?

井上さん:博物館資料と図書がうまく統合されていた点が大きかったと思います。当館は図書も多いですからね。

-仕様の打合せなどはスムーズに行きましたか?

井上さん:打合せに1年以上はかかりました。いろいろとわがままを言ったからかな? ここからは、実務を担当した茂原のほうがいいでしょう。どう?

茂原さん:基本的には、そういうことなんですけど。いろいろありましたね。

-いろいろ、ですか…。何かまずい対応とかありました?

茂原さん:いえいえ、途中で大きな転換が2回ほど発生したんです。まずひとつは、上下に分割されている画面レイアウトが使いにくく感じたので、ウインドウを左右に並べるように変更していただきまして。

-左右の二分割というのは、極めて珍しいですね。こちらだけじゃないかな?

茂原さん:SEさんも大変だったと思います。でも、おかげでとても見やすいですよ。他の館にも自信を持って推奨できるくらいです。

-弊社でも検討してみます。で、もうひとつの変更点は?

茂原さん:「受注」「発注」「資料情報管理」という3つのテーブルを一つにまとめたことです。我々のところではファイルメーカーやエクセルを使ってデータを作成しているので、すべての項目について一括でインポートしたかったんです。これは業務上必須の機能なんですが、当初「テーブルが違う」ので、どうしても無理だと言われました。

-技術的に無理だったんですね。でも、システム開発の用語で言われてもお困りですよね。申し訳ありません。

茂原さん:はじめは、仰る意味がわかりませんでした。最終的に、テーブルをひとつにすることでクリアしたんですが、半年ほどかかりましたね。

-キチンと「どうすれば課題を解消できるか」という視点で提案を差し上げなければなりませんよね。半年も時間をロスする議論では…。

茂原さん:「ここからここまでが仕様」という線引きが曖昧だったことも、時間がかかった原因ですね。こちらが「データベースの機能として当然対応しているだろう」と思っていることが、「そこは仕様にはありません」というケースもありましたから。

-本当に申し訳ないことばかりで。改めて、当時の対応をお詫びいたします。


地域のオアシスのような飛鳥山公園に
あり、散策にも最適。

-こういう機会ですから、他にも気になる点があれば、ぜひ仰ってください。

茂原さん:検索機能なんですが、「どの画面を開いていても、検索の窓は常に表示されている」ようにできるといいなあと思います。いちいち検索専用の画面を呼び出すより使いやすいと思うんですが。

-最近のWebブラウザはそういう傾向ですよね。

茂原さん:そうそう、先日、図書と雑誌を3000件ほど一括登録したんですが、登録後に「何件登録できました」という確認画面が、図書の分しか表示されなかったんです。登録の時に図書の一覧画面を開いていたせいかもしれませんが…。

-ちょっと紛らわしい表示ですよね。なんだかもう、至らない点ばかりで…。

茂原さん:いえいえ、問題点をお尋ねだったのでお答えしているだけで。SEさんには、いろいろとわがままを聞いてもらって、本当に感謝していますよ。このシステムのおかげで、データの蓄積と職員の情報共有が飛躍的に向上しましたしね。

井上さん:そうですよ。いつもこのインタビューでは点数を聞かれていますけど、十分に及第点はクリアしていると思いますよ、お世辞じゃなくて。

-ありがとうございます、少しホッとしました(涙目)。それでは、今後システムを導入される館の方にアドバイスをお願いします。

茂原さん:今日は要望を言わせていただきましたが、結局、こういうコミュニケーションが「使えるシステム」に繋がってくると思うんです。

-重要なことですよね。

茂原さん:当館も、完成直前にはテスト版を使ってみて、要望を最終版にフィードバックするところまで付き合ってもらいましたが、やはり目で確認しながら話をすることが大事だと思いますよ。

井上さん:そうですね。知ったかぶりをしないで、遠慮せずいろいろとぶつけてみることが大切だと思います。もちろん、早稲田さんのように、ひとつひとつにキチンと応えてくださるシステム会社さんと組むことが前提なんですけどね。

-ありがとうございます。本日は、弊社の開発現場こそお聞きするべきお話をたくさんいただきましたので、これからしっかり活かしていきたいと思います。ご多忙の中、本当にありがとうございました。
 

<取材年月:2007年5月>

MUSEUM PROFILE

(財)渋沢栄一記念財団 渋沢史料館 実業史研究情報センター
日本の近代経済社会の基礎を築き、実業界のみならず社会公共事業、国際交流の面においても指導的役割を果たした渋沢栄一の全生涯にわたる資料を収蔵すると同時に、展示等の活動をする博物館です。史料館本館及び隣接する旧渋沢庭園は、実は旧渋沢邸の一部。その旧渋沢庭園には、国の「重要文化財」に指定された大正期の2つの建物、「晩香廬」と「青淵文庫」が庭園とともに当時のままの姿で残っていて、お隣の北区飛鳥山博物館、紙の博物館とともに、散策コースとしても最適です。企業を取り巻く諸問題が取りざたされる今日、経済人は必見の博物館と言えるでしょう。
ホームページ : http://www.shibusawa.or.jp/museum/
〒114-0024 東京都北区西ヶ原2-16-1
TEL:03-3910-2314
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