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収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

システムの導入で必要なのは、やはりコミュニケーション。
開発側に、館の実情を知ってもらうことが大切だと思います。
学芸員 浅野 慎太郎さん
学芸員 浅野 慎太郎さん

-3年前のI.B.MUSEUM導入の際は、ご要望通りの水準に達するのに時間をいただいてしまったとの報告を受けております。いろいろご迷惑をおかけしたようで…。

浅野さん:いえいえ、今はとてもよく対応していただいていますので。私も着任したばかりでしたしね。その直前まで教員だったので、戸惑いもありましたし。

-そうだったんですか。いきなりシステム構築の作業は、大変だったでしょうね。

浅野さん:当時はもう一人、システムの主担当がいたんですけどね。

-どんな理由でシステムを導入されたんですか?

浅野さん:あの頃、当館では「インターネットにデジタルミュージアムを開設する」という大きな目標を立てたのですが、当時はExcelやAccess、それに紙の台帳が混在している状態だったので、専用システムに統合しようということになりまして。

-では、データ整備から公開までを一気に? かなりの難作業ですね。

浅野さん:そうなんです。デジタル化には力を入れたんですよ。なにしろ、それまで毎年恒例だった企画展を、2年間に渡って取りやめてまで決行しましたからね(笑)。数千点の写真を一気に撮影しましたので、相当な労力を費やしました。

-それはすごいですね…! 弊社も貢献すべきだったのですが、結果的にきちんとお役に立てなかったんですよね。反省しております…。


後楽園入り口に面していて、
人通りの絶えない博物館です。

-企画展をお休みしてまでデータ整備とインターネット公開に取り組まれていたわけですが、どんな点に苦労されましたか?

浅野さん:公開側はインフォコムさんという別の会社にお願いしていまして、おかげさまでそちらは上手くいっていました。いま思うと、目標だった外部公開に気を取られて、管理側のシステム構築が後回しになった部分もあるかもしれません。実際、打合せ回数も少なかったですし、詰めが甘いところもあったかな、と。

-聞くところによると、管理側から公開側へのデータの転送に問題が生じて、インフォコムさんにもご迷惑をおかけしたとか…。具体的には、どんなトラブルが?

浅野さん:たとえば、「名品150」というコンテンツなのに、いざアップされると点数が足りないとか(笑)。それも、一番重要な国宝の「赤韋威鎧兜」が表示されていないということが、プレス発表前日に発覚しましてね。あれは大変でした。

-ももも、申し訳ございません…(滝汗)。管理システム自体はいかがでしたか?

浅野さん:いまは問題ないですが、当時は紆余曲折ありました。出力した文書に文字が入り切っていないとか、変なところで改ページされたりとか…。

-(冷汗)何が問題だったのでしょうか?

浅野さん:やはり、公開側の打ち合わせ回数に比べてコミュニケーションが少なかったことが尾を引いたのではないか、と。たとえば、当館は寄託資料がとても多いので、館蔵品と分けて管理するのですが、加わったり返却したりするたびに書類を作成するんです。その部分は、御社のSEの方も初めてのケースだったようですよ。

-私たちが運用の場面を十分シミュレーションし切れなかったわけですね。ならば、なおのことコミュニケーションが重要になりますよね…。

浅野さん:でも、私たちの状況を理解してくださってからは、本当に丁寧に、親切にしていただきましたよ。何度も足を運んでくださいましたし、いまでは感謝しています。使ってみて初めてわかった課題もありましたしね。

-と仰いますと?

浅野さん:たとえば、先ほどの寄託資料の件ですが、長期と短期とを分けて登録していたのですが、途中で期間が変更になることが少なくないんです。当時はそれを想定していなかったので、うまく対応できていなくて。今後の課題ですね。

-なるほど。でもそれも、先回りして助言を差し上げることも、できなくないですよね。やはり、弊社に反省が必要と思います。


リピーターのために、年に何度も
展示替えをされるそうです。

-さて、恒例の「点数」をいただきたいのですが…今回は、「現在の」I.B.MUSEUMと弊社は100点満点で何点くらいいただけますか?(汗)

浅野さん:う〜ん、難しいですね…つい最近まで「採点する仕事」に携わっていたんですけどね(笑)。

-教壇に立っておられたんですもんね(笑)。

浅野さん:繰り返しになりますが、とても親切に対応してくださった点も含めて、今の状態にはかなり満足しているんです。もっと早くから、しっかりお話する機会があれば…という部分を減点させていただいて、80点というところでしょうか。

-いろいろとご迷惑をおかけしたのに高い点数、ありがとうございます。では、大きな目標だった「収蔵品のインターネット公開」を実現されて、いかがでしたか?

浅野さん:効果は確実に現れていると思いますよ。サイトをご覧になった方の問合せの電話もかなり増えていますから。

-そうですか、それは良かった。ご苦労の甲斐がありましたね。

浅野さん:ええ。県の図書館のサイトで検索した時に、当館のデータもヒットするようにするとか、細かい工夫も重ねましたからね。あと、他館の方からの問い合わせも、事前にサイトをご覧になった上でお話しできるので、とても助かっています。

-では、今後の課題などはありますか?

浅野さん:画像をもっと追加したいですね。写真がない収蔵品もまだありますし、登録済みでも資料カードの写真をそのままスキャンして使っているものも少なくないですから、クオリティはもっと上げられます。それに、データも短期間で入力したので、振り仮名などの誤りも残っていますしね。まだまだ発展途上ですよ。

-傍目には十分によく出来ているように思いますが、さすがに高いレベルを目指しておられますね。管理システムには課題はありますか?

浅野さん:大きなものは対応していただきましたので、ほとんど問題ありません。ただ、たまに「あれ?」と思うようなことはありますね。

-こういう機会ですから、ぜひお聞かせください。

浅野さん:システムを立ち上げるとき、I.B.MUSEUMにログインできない時があるんです。やり直すと入れたりするんですけどね。そうそう、美術部門の収蔵品で、作者データがいつの間にか備考欄に入ってしまうものがあるかな。

-そっ、それはマズイですね。至急調査いたします。

浅野さん:そうですね、今後もぜひよろしくお願いしますね。

-こちらこそ、よろしくお願いいたします。本日は反省材料をたくさんいただきましたので、いままで以上に頑張ります。本日はお忙しい中、ありがとうございました。


<取材年月:2007年6月>

MUSEUM PROFILE

岡山県立博物館
岡山県の県政百年記念事業の一環として、昭和46年に開館。代表的な観光地・後楽園に隣接し、いつも多くの観光客でにぎわう人気の博物館です。古くから文化が花開いた吉備の国の文化遺産を収集保存する一方、博物館講座や館内授業・出前授業など、教育普及活動も活発に展開。最近6年間で入館者数を1.5倍にまで増やすなど、独自の活動で着実に成果を積み上げる先進館として、知る人ぞ知る存在です。早くからデジタルミュージアムの開設に取り組み、オンラインでの情報公開を通じた地域貢献活動も順調。興味深い話題が尽きない博物館です。
ホームページ : http://www.pref.okayama.jp/kyoiku/kenhaku/hakubu.htm
〒703-8257 岡山県岡山市北区後楽園1-5
TEL:086-272-1149
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