HOME > Voice & Report TOP > ミュージアムインタビュー TOP > vol.50 損保ジャパン東郷青児美術館

収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

コンピュータシステムに、過度な期待はありません。
まず「きちんと動く」安心感を一番必要としています。
学芸員 中島 啓子さん
学芸員 中島 啓子さん

-東郷青児美術館さんは、実は当社から最も近い美術館なんですよ。そのせいか、かなり早い時期に導入いただいたようですね。

中島さん:そのようですね。1997年の秋、私が着任した時点で既に導入されていましたよ。

-長くお使いいただいて、ありがとうございます。その当時、I.B.MUSEUMはお仕事に貢献できていましたか?

中島さん:ええ、お陰様で。それまでの当館では、写真や履歴情報を蓄積する正式な作品カードのほかに、所在場所を確認するための小さなカードを使っていたのですが、I.B.MUSEUMが入って後者のカードを廃止していますからね。

-業務フローが紙からコンピュータに代わる際には、いろいろと混乱が生じると思いますが、問題はありませんでしたか?

中島さん:少しは不便もあったようですね。職員の入れ替わりがあるせいか、全角半角などの細かいデータ入力方法が統一し切れずに、検索がうまく機能しないとか。

-なるほど。その後、4~5年前に一度システムを入れ替えておられますね。データの移行はうまく行きましたか?

中島さん:それが…むしろ、あの時のほうがいろいろありまして。

-システムの移行で問題が発生したようですね。ぜひお聞かせください。


 

オフィス街とは思えない落ち着いた
空間です。

-システム入れ替えの際、どんな点が問題となったのですか?

中島さん:入れ替えの話が出ていた頃、ちょうど自分の担当の展覧会が重なってしまって、十分な話し合いができなかったんです。一番忙しい時期だったので、細かいところをチェックできないまま作業が進んでしまいましてね。

-それは大変でしたでしょうね。そういう時こそ、弊社スタッフがフォローしなければならないわけですが、そのあたりは…?

中島さん:担当のSEさんは本当によくやってくださったのですが、導入してみて「あれ?」という点がいくつかありました。「ここに入力したら、こっちに反映されるんじゃなかったっけ?」という感じで。その都度、対応していただいてますが、自分の理解と異なる点がまだ残っているかも知れませんね。

-それは問題ですね。最後まで残らず対応しなければ。

中島さん:いえいえ。ふだんの業務では特に問題ないので、大丈夫ですよ。

-でも、操作性などで気になるところはあるのでは?

中島さん:私自身より、入力スタッフには希望があるみたいですね。「文字画像一覧の画面の状態のまま印刷できたらいいなあ」とか、「履歴情報だけを一気に印刷できたらいいなあ」とか、そんな声は耳にすることがあります。

-なるほど。まだ改善の余地はありそうですね。

中島さん:そう言えば、私の上司などは、画面や出力帳票の見栄えも気になると言ってました。別に「悪い」というわけではないんですけどね。

-インターフェイスやデザインの話は、最近、特によく話題になります。気持ちよく仕事に臨めるかどうか、という重要な部分ですからね。

中島さん:そうそう、貸出管理については、もう少し何とかしたいですね。

-ほう? と仰いますと?

中島さん:当館の特殊な事情として、館外展示を行う場合があるんです。損保ジャパンの会社サイドで、例えば地方のお客様に「東郷青児展」の開催をお勧めすることがありましてね。そういう場合は、作品60点ほどまとめての貸し出しが発生するんです。

-損保ジャパンさんなら、全国にお客様がいらっしゃるでしょうから、作品の貸し出しも全国規模になりますよね。

中島さん:今のシステムは、貸出情報は1点ずつ入れる仕組みになっていますよね。まとめて入力できると便利なんですが。あと、履歴情報には貸出履歴が反映されるんですが、展覧会名が表示されなかったり。

-それはご不便でしょうね。一括入力の件は、実は最新のI.B.MUSEUMでは改善されていまして…申し訳ありません(汗)。展覧会名が出ないという点は、そういう仕様なのか、操作次第で表示できるものなのか、社に帰って調査してみますね。


ミュージアムショップ。
「ひまわり」のグッズもありました。

-いろいろとご指摘をいただいたあとなので少し聞きにくいのですが、恒例の質問をさせていただきます。I.B.MUSEUMは、100点満点で何点いただけますか?

中島さん:そうですねえ。システムは80点くらいでしょうかね。

-減点部分は先ほどご指摘の箇所ですね。

中島さん:細かい要望は打合せのときに私がチェックし切れなかったこともありますし、問題なく使えていますから、そんなに減点するような話ではないんですけどね。

-いえ、こういう機会ですから、ハッキリと仰っていただいて。

中島さん:私はコンピュータが苦手ですから、パソコンを見たときに「大量のものを一気に片付けてくれる道具」というイメージを抱いているんですよね。曖昧で恐縮なんですが、そういう印象面で80点という感じなんです。

-いや、重要なお話だと思います。まさにシステムの使命ですもんね。

中島さん:でも、担当の方は、本当によくやってくださっているんですよ。早稲田さんの対応面なら、100点どころか200点を差し上げたいくらいです(笑)。ちょっとしたトラブルにも気軽に応じてくださいますし、本当に感謝しています。

-ありがとうございます。担当SEも喜ぶと思います。では、中島さんの今後の構想などをお聞かせいただけますか?

中島さん:いま使っているI.B.MUSEUMはスタンドアローンのシステムなので、早く各自のパソコンで使えるようにしたいですね。でも、こればかりは会社のネットワークとの兼ね合いもあって、私たちの都合だけでは進められない部分がありまして。上司がいろいろと相談してくれていますので、応援しているんですけど(笑)。

-保険会社さんは、特に個人情報をたくさん取り扱われるでしょうから、そのあたりは特に気を配っておられるんでしょうね。早く解決することを祈っています。では、これからシステムを導入される方に、先輩としてアドバイスをお願いします。

中島さん:そうですね。データのメンテナンスは、結局「人力でやる」しかないので、そこを頑張りましょう…ということでしょうか。パソコンが苦手なぶん過度な期待を抱きがちですが、当館のように収蔵品管理をメインとするシステムは「きちんと動く」という安心感があれば十分だったりするんですよね。私も頑張らなくちゃ、と(笑)。

-近道はない、ということですね。I.B.MUSEUM歴10年の中島さんらしいお言葉だと思います。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
 

<取材年月:2007年12月>

MUSEUM PROFILE

損保ジャパン東郷青児美術館
損保ジャパンの前身・安田火災の美術館設立の願いに、東郷青児画伯が賛同。所蔵の自作約 200点と同画伯の収集した内外作家の作品約250点の寄贈を受けて、1976年に開館した美術館です。東郷青児作品のほか、グランマ・モーゼス、ルノワール、パブロ・ピカソ、ジョルジュ・ルオー、マルク・シャガール、岸田劉生、山口華楊、奥村土牛など、充実したコレクションを誇り、1987年には、ゴッホの『ひまわり』、1989年にはゴーギャンの『アリスカンの並木路、アルル』、1990年にはセザンヌの『りんごとナプキン』が加わり、展示内容が一躍充実。超高層ビルの42階にあり、展望回廊からは房総半島にかけての雄大な眺望が楽しめるなど、まさに「都心のオアシス」と呼ぶに相応しい美術館です。
ホームページ : http://www.sompo-japan.co.jp/museum/
〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン本社ビル42階
TEL:03-5777-8600
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