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収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

システムの導入も、解説アプリの使いこなしも
「案ずるより産むが易し」だと思いますよ。
学芸室長 落合 桃子 さん
学芸室長 落合 桃子 さん

-さっそく「ポケット学芸員」をご活用いただいていますね。作家さんご自身の声によるガイドを聴きながら展覧会を鑑賞できるということで、今日はそれを楽しみにまいりました。

落合さん:ありがとうございます、ぜひご覧になってください。

-後ほど、じっくりと。でも、今日のメインは「ミュージアム・インタビュー」ですので、まずはこちらから。はじめにI.B.MUSEUM SaaSご導入の経緯からお聞かせください。

落合さん:私は平成25年にこちらに着任したのですが、当時はFileMakerと手書きの調書が併用されていて、何かを調べるたびに手間がかかってしまって。

-長くお勤めの方ならご記憶されていたりもしますが、着任早々では、慣れるのにも一苦労ですよね。

落合さん:そうなんです。情報の一元管理は以前からの課題で、過去にもシステムを検討していたようなのですが、コストの問題があったそうで。

-独自システムを開発しようとすると、今でも数百万円はかかりますね。

落合さん:そうみたいですね。困っている時に、御社がクラウドサービスを始めておられることを知ったんです。

-同じようにコストの壁を越えられない館は、非常に多いですからね。これを何とかしたいと思って開発したんです。

落合さん:ほかの美術館に訊いて回った時、似た経緯でI.B.MUSEUM SaaSを導入した館がいくつもありましたよ。ということで平成26年に体験版を使わせていただいて、実際に操作して決めました。

-なるほど。口コミ的に広がるのは、ありがたいことです。

落合さん:顔なじみの館も使っているというのは安心感がありますからね。それで、新年度を待って、平成27年4月に正式に契約しました。

-ということは、ご検討は順調に進んだようで。それは何よりでした。


温もりにあふれた「ハービー・山口写真展」の様子。

-さて、最大の目的である「情報の一元管理」は、その後いかがですか? 

落合さん:お陰様で、所蔵品展の準備の手間は大幅に削減された感じですね。いつも「クリップリスト」機能を使って検討しているんですよ。

-あ、あの機能は意外に「使える」というお声が多いんですよ。

落合さん:便利ですもんね。あとは、著作権者の情報とか、今まで別管理だったデータまでI.B.MUSEUM SaaSに集約することができました。手間が減って、本来の仕事に集中できるようになりましたね。

-それは何よりです。導入時にデータ移行もお手伝いいたしましたが、中身に問題はありませんでしたか?

落合さん:そこは少し課題が残っていますね。

-と仰いますと?

落合さん:私たちの側の問題なのですが、一部重複したデータがあったり、望ましい形式になっていなかったり。当館では見直し作業ができるのは私一人でして、なかなか手が回らなくて。

-え、落合さんお一人だけなんですか?

落合さん:ええ。専任の学芸員は私一人で、しかも他の学芸員は美術史ではなく実技畑の出身者なんです。

-なるほど、言葉の壁の問題ですね。

落合さん:そうなんです。たとえば「寸法」というと、私の視点では「何cm×何cm」というイメージなのですが、実技では「何号」というのが先に頭に浮かびますから。ほかにも、「油彩・キャンバス」と「画布」の違いとか。

-「実技」というと制作者ですから、用語も画廊や画材屋さんで耳にする言葉になりますよね。

落合さん:ええ、「作り手」ですから、寸法の欄に「何号」と書き込むのは当然のことなんですけどね。でも、より汎用的なデータを作るという観点では、やはりサイズの表記に統一すべきものですので。

-なるほど…。では、「入力メモ」の機能などをお使いになっては?

落合さん:メモ、ですか?

-ええ、マウスを合わせると、館のルールなどを記したメモをポップアップさせることができるんです。ほら、こんな感じで(画面を示しながら)。

落合さん:なるほど、ここに号数を入れておけば、サイズに修正しても他の学芸員に分かりやすく使ってもらえそうですね。さっそく試してみることにしますね。

-こういう付随的な細かい機能はお役に立つことが多いんですが、なかなか十分にご案内が行き届かなくて…本当に申し訳ありません。ほかにお困りのことは?

落合さん:そうですね…。「基本情報」のタブに情報が多すぎて、スクロールが少し煩雑かな?

-なるほど。では、あまり使わない項目は後ろのタブに動かしてしまいましょう。

落合さん:そんなこともできるんですか?

-ええ、項目の移動はユーザ側でできますよ。どの項目を動かすかをお決めになったら、ご一報ください。

落合さん:それは心強いです、ありがとうございます。

-あとは公開ですよね。データの中身を見直さなければならないということは、もうしばらく先でしょうか。

落合さん:いえ、所蔵品展に出す作品からデータの見直しを進めているので、ホームページ上での公開は少しずつなら近いうちにできそうです。

-すごい、もうそこまで進んでいるのですか。楽しみですね。ぜひ頑張ってください、期待しています。


エントランスに「ポケット学芸員」の
ご案内パネルがありました。

-「ポケット学芸員」ですが、作家さんご自身のナレーションはいいアイデアですよね。あちこちの館でお話しすると、皆さん「それはいいね」と仰います。

落合さん:それは嬉しいですね。実は、あれはハービー先生ご自身のアイデアなんですよ。

-え、そうなんですか!

落合さん:展覧会の打ち合わせで、「僕自身が喋ったら面白いよね」と仰って。当館には音声ガイドの設備がないし、どうしよう…と思っていたところに、御社から「ポケット学芸員」をご案内いただいたんです。

-うわ~、すごいタイミングですね!

落合さん:はい、私もびっくりしました(笑)。5月31日に録音したデータに簡単な編集を施して、6月3日にはアップロードまで完了したので、翌日からの展覧会に間に合いました。

-音源づくりを含めて、アプリ配信まで4日で完了ですか…。操作は大丈夫でしたか?

落合さん:びっくりするほど簡単でした(笑)。

-それはよいお話を聞きました(メモ)。少し拝聴しましたが、先生のお話がお上手で、まるでラジオ番組を聴いているようですね。作品を見ながら聴けばゆったりした気持ちで観賞できそうで、楽しみです。

落合さん:先生は、実際にラジオ番組でお話しされていますからね。今回も、ほとんど原稿もご覧にならずに、すらすらとお話しくださって。

-本当にご適任ですね! では、今回のご経験を活かして、今、システム導入をご検討中の館の方にアドバイスをいただけますか?

落合さん:「案ずるより産むが易し」でしょうか。コストと入力の時間さえ何とかなれば大丈夫だと思いますよ。

-「ポケット学芸員」のご活用法も含めて、皆さんにお伝えしていきますね。では、この後、展示を拝見いたします。本日はお忙しいところ本当にありがとうございました。

<取材年月:2016年7月>

MUSEUM PROFILE

九州産業大学美術館
芸術学部を中心に、美術、工芸、デザイン、写真など多くの作品を収集してきた九州産業大学。そのコレクションを芸術教育研究に役立て、同時に地域の方々の楽しみと学習に資するために、2002年4月にできた美術館です。コレクションだけでなく、数多く、幅広く開かれる展覧会も充実のひとこと。場所は広々としたキャンパスの入り口近くで、学外の方々も気軽に入ることができるとあって、地域のアートスポットとして人気の美術館です。
ホームページ : http://www.kyusan-u.ac.jp/ksumuseum/
〒813-8503 福岡県福岡市東区松香台2丁目3番1号 九州産業大学芸術学部15号館1階
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