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収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

データの保管と共有のために導入しましたが
使ううちにやりたいことがどんどん増えていきます。
学芸員  佐久間 真子 さん
学芸員  佐久間 真子 さん
 -今年2月からI.B.MUSEUM SaaS をご利用いただいていますが、導入前の様子からお聞かせいただけますか。

佐久間さん:当館では、長くFileMakerを使っていました。受入時に紙の台帳を作って、それをデータとして入力して、検索や出力に使うという流れです。

-スタンダードな方法ですね。

佐久間さん:ええ。でも、パソコン1台に保存されていて、バックアップも館内のパソコン内にしかない状態でしたので…。

-それは危険ですね。県のネットワーク上で運用できなかったんですか?

佐久間さん:インストールできるソフトの制限などもありましたからね。それで、ひとまず外付けのドライブにバックアップを取ることから始めて。

-システム導入のきっかけは、そのあたりに理由が?

佐久間さん:そうです、「データをより安全に保管しよう」ということです。バックアップと言っても、専用のサーバ室ではなくて事務室内に置いているわけで、安全とは言えませんからね。

-最近はそうした意識も浸透してきましたよね。

佐久間さん:あとは、データの一元管理の問題ですね。FileMakerからデータを取り出して自分のPCで加工したりすると、個人のパソコン内のデータが最新ということになったりもしますから。

-つまり、情報の保護と共有がテーマとお見受けしますが、システム導入予算のご準備はいかがでしたか?

佐久間さん:やはり予算は1回では通りませんでした。それなのに営業の方がその間も何回か来てくださって、いろいろ相談に乗ってくださって。

-そうした事例は本当に多いので、最近は「予算ハンドブック」なんかも作っているんですよ。

佐久間さん:あ、それ、参考にさせていただきました(笑)。

-え、そうなんですか!(嬉)

佐久間さん:ええ。それで、再チャレンジで通したんです。そもそもの価格が安かったですし、県内美術館・博物館での導入事例も増えてきたこともあって、初期データの登録作業の費用も合わせた予算が確保できました。

-入札までにいろいろな経緯あったんですね。ご苦労が偲ばれます。



広大な敷地、水と緑が訪れる人を癒してくれます
▲広大な敷地、水と緑が訪れる人を癒してくれます
-さて、導入後まだ4カ月くらいですが、お使いになられて気になる点は?

佐久間さん:そうですね…。FileMakerの利点だった「すぐ書類が作れる」ところは、少し弱まったかな?

-と仰いますと?

佐久間さん:キャプションとか貸出の書類など、印刷物を作るのが簡単だったんですよ。データ保護の安心感や共有の便利さと引き換えになってしまった感じですね。

-なるほど。帳票を自由に作れる機能については、ほかでもご要望をいただいたことがありますので、ちょっと検証してみますね(メモ)。

佐久間さん:あと、大分類を跨いでクリップリストを作ろうとして、うまくできないことがありました。その時に気づいたのですが、大分類の考え方を少し再整理できるといいな、と。

-大分類は変更できない仕様になっていますが、その関係ですか?

佐久間さん:ええ。当館では「時代」を大分類にしていますが、どこにも区分できないものを「その他」と登録しました。こんな時、後から時代が判明しても、修正できませんよね。

-ふむふむ…(メモ)。

佐久間さん:それで、100件ほど正しい大分類で新しく登録し直して、古いデータを削除したんです。大分類を「陶器」とか「作品」にすればよかったんですけどね。

-項目体系が同じなら、大分類を分けなくても運用は可能ですよ。そのあたり、しっかりご助言すべきでした。申し訳ございません。

佐久間さん:いえいえ、お気になさらず。

-大分類を「作品」にして、作品以外のデータも登録している館もありますよ。たとえば、図書とかポスターとか。

佐久間さん:なるほど。たとえば、ちょうどそこに置いてある花入れは、作品ではありません。大分類を「作品」と「物品」なんかにしておくと、茶室で使っている茶碗や水指なんかも登録できるということですよね?

-仰る通りです。後で一括変更が可能かどうか、サポート担当と相談してみますね(メモ)。ほかには?

佐久間さん:そんなところですよ。それより、画像が一緒に見られるようになったのは、本当にありがたいです。

-FileMakerでは、動きが重くなりそうですもんね。

佐久間さん:そうなんです。仕方なく画像を別に管理していましたから、文字情報と画像を一緒に見ることができなくなってしまって。文字だけだと「これなんだっけ?」となったりしますからね。

-いちいち画像を探しに行くのは大変ですよね。

佐久間さん:展覧会を考える時なんかは、どうしても「よく知っている作品」に偏ってしまいがちになりますからね。画像が一緒に表示されると、「これは最近、展示していないな」と、すぐ分かりますから。特に若い学芸員には大事なことなんですよね。

-確かに。若い学芸員さんが周囲に頼らなくてよい環境づくりも、システムの威力なんですよね。



広い展示室はまさに焼き物の殿堂です
▲広い展示室はまさに焼き物の殿堂です
-では、今後の目標は?

佐久間さん:なんといっても、インターネットでデータベースを公開することですね。

-重要ですよね。でも、現在のホームページは、とてもよくできていると思いますよ。作品情報も沢山でていますし。

佐久間さん:ありがとうございます。でも、検索ができないと一般の人には見づらいと思うんです。当館の場合は時代別、国別にずらっと並べる表示方法になっていますが、たとえば青磁や白磁を見たいと思っても、見つけ出すことは難しいのではないか、と…。

-なるほど。専門家や研究者の皆さんは慣れておられても、一般の方はやはり検索機能が欲しいでしょうね。

佐久間さん:そうなんです。当館の場合、陶器であれば産地や時代、ジャンルを問わず収集していますので、検索機能付きで公開できれば、きっと皆さんに楽しんでいただけるものになると思うんですよね。

-確かに。お聞きしているだけで興味が湧いてきます。

佐久間さん:学校の教材に使ってもらいやすくもなりましね。愛知県には県立の博物館がないということもあって、名古屋市の先生は地元の産業として当館の焼き物を学びに来られるのですが、作陶体験のウエイトが高いようで。

-ぜひ所蔵作品の素晴らしさを伝えたいですよね。

佐久間さん:営業の方にお聞きしたのですが、知多市歴史民俗博物館さんの方法を参考にさせていただきたいな、と思っているんですよ。

-いいですね! 弊社もサポートしますので、ぜひ実現してください。

佐久間さん:あとは、職員のシステムの利用度アップ…ですね。「棚がいっぱいなので一時的にこちらに置きました」というメモ的な情報共有とか便利な機能が多いですから、使いこなさないと。


-通信環境が整えば、タブレットを収蔵庫に持ち込んで、その場でメモを入力できますよ。

佐久間さん:あ〜、それ、いいですね~。やりたいことがいっぱい出てきちゃうな〜(笑)。

-とにかく前向きなご姿勢、弊社も見習わなくては。ぜひ、今後ともよろしくお願いいたします。本日はご多忙の中、本当にありがとうございました。



<取材年月:2015年6月>

MUSEUM PROFILE

愛知県陶磁美術館
日本のやきもののふるさと・瀬戸の丘まるごとひとつ分の広大な敷地を有する、日本最大級の陶磁美術館。縄文時代から現在に至るやきものの歴史、変遷を伝える貴重な作品・資料や、海外陶磁器、現代作品などが展示されていて、窯業の歴史と作品の美しさを同時に楽しめます。また、3つの展示館のほか、作陶体験ができる陶芸館、地元作家の茶碗でお茶楽しめる茶室も人気。多様なやきもの体験を提供する、まさに「やきもののメッカ」です。
ホームページ : https://www.pref.aichi.jp/touji/
愛知県瀬戸市南山口町234番地
TEL:0561-84-7474  FAX:0561-84-4932
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