HOME > Voice & Report TOP > ミュージアムインタビュー TOP > vol.105 知多市歴史民俗博物館

収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

市民の方にお借りした写真を、市民にお使いいただく。
博物館には、まだやれることが多数あると思います。
学芸員 真田 泰光さん
学芸員 真田 泰光さん

-今年度にI.B.MUSEUM SaaS を導入されて、もう公開も完了…すごいスピードですね。

真田さん:私が着任する5年前の、平成15年に導入された旧システムに、1万点以上のデータが登録されていたんですよ。公開も実施していましたので、データ資産が活きたということだと思います。

-なるほど。システムは老朽化していたでしょうね。

真田さん:ええ、維持コストが嵩みましてね。早稲田さんが県の博物館協会で行われた勉強会に参加した時、クラウドサービスのことを知りました。自分たちで大分類を加えたり、項目を自由に作ったりできることは魅力でしたね。

-実は、あの研修がきっかけでシステムの導入検討を始められた館は、割と多いんですよ。

真田さん:何より「月3万円でOK」という料金には驚きましたよ。おかげで財政担当にも説明しやすかったですし(笑)。

-旧システムは専用として作り込んでおられたようですから、機能的に不足する部分もあったのでは? 公開機能とか。

真田さん:そこは体験版でじっくり確認させてもらいました。公開機能は、実際にサイト画面を作って、利用者サービスの低下がないことを確認しましたしね。

-データ移行はいかがでしたか? かなり大変な作業だったのでは?

真田さん:データのズレといった問題は出なかったのですんなり公開できましたが、一時的に「休止期間」が生じるのは避けられませんでしたね。

-と仰いますと?

真田さん:契約の関係上、旧システムは3月末で止まって、新システムへの移行作業は4月からというスケジュールになったんです。その間、「どうしたの?」というお問い合わせを結構いただいてしまいまして。

-それは「使ってくださっている」証でもありますよね?

真田さん:ええ、反省材料である半面、嬉しくもありましたね。たとえば地元メディアなどが写真素材を使ってくださっているので、「それなら」と作業をさらに急ぐことになったんです。展覧会の企画などにも影響がでていましたし。

-I.B.MUSEUM SaaSでは、業務側の機能も使いこなしてくださっているようですね。

真田さん:そうですね。検索や登録、それに一括登録や公開設定あたりの機能は、ほぼ大丈夫かな?

-素晴らしいですね! 展示や貸出まわりの機能はいかがですか? 履歴情報が自動的に蓄積していく機能などは、きっと重宝していただけると思いますが。

真田さん:え、そんな機能があるんですか! それは確かに便利そうですね。

-もしかして、操作説明にまだお邪魔していないとか…。

真田さん:ええ、いらっしゃっていないですね。

-それは大変失礼しました! これだけ使いこなしておられるので、てっきり…(汗)。すぐに担当スタッフを手配しますね。


ガラス張りの明るいエントランス。

-独力でここまで進められたということは、機能や操作性で気になる点もおありなのでは?

真田さん:そうですね。いくつか、よろしいですか?

-お願いします!

真田さん:公開側の検索結果一覧ですが、はじめに出てくる並び順が「登録順」ですよね。これを変更できるようになるといいな、と思います。

-なるほど…(メモ)。

真田さん:それと、詳細画面では、未入力の項目が表示されないようになっていますよね。それなら、一覧画面でも同じようになっていればいいのに、と思いました。

-もう少し詳しくお聞かせ願えますか?

真田さん:たとえば検索結果一覧画面で、考古資料では「遺跡名」の項目を表示したいけども、現在のシステムで設定すると民俗資料や美術資料にも「遺跡名」が表示されてしまいます。詳細画面と同様に、未入力の項目は表示しないようになれば、考古資料の「遺跡名」、美術資料の「技法」などを一覧で細かく表示できて、より便利になるのではないかなと。

-一覧画面も非表示に…と(メモ)。

真田さん:それから、同じく公開側の検索トップは、分類ツリーの選択画面が慣れていない人には分かりにくいように感じますね。それと、一覧の「次ページへ」のボタンは下にもあった方がいいかも。

-あ、その方が親切ですね。

真田さん:スクロールして下まで行って見つからない時、もう一度上に戻すのは少し面倒ですしね。あとは、「このデータベースについて」というページが加えられたらいいかな。

-ボタン位置と概要ページ、と…(メモ)。

真田さん:それから業務側ですが、データの削除を一覧画面から一括でできるとありがたいですね。一括登録で失敗した時などに使えますから。 あとは、画像の登録を資料詳細画面から操作できると、ひと手間減って助かります。

-恐れ入りました! 本当に的確なご指摘、ありがとうございます。ひとつ残らず、開発陣に伝えて検討させますね。特に公開側は、利用者サービスに直結する話ですし。

真田さん:そうなんです。当館では2つの公開ページを設けているんですが、「デジタル写真館」は小学校区ごと、時代ごとに分けてリストから検索するようにしました。こんな感じで(画面を示して)。

-あっ、これって…。

真田さん:そうなんです。御社から届いた資料で、川崎市高津区さんの事例が紹介されていましたよね。あれを、市のホームページでやってみたんです。

-いや、驚きました。さっそく高津区の方にお伝えします。そう言えば、iBeaconを使った展示案内もすでに運用されていますし、とても積極的ですね。

真田さん:今、当館では「特色ある博物館」を目指してどんどん新しいことにチャレンジしているんです。博物館の存在意義を際立たせよう、と。

-ほう? ほかにも何か?

真田さん:たとえば、当館が所蔵する美術資料の活用とか。幸い地元作家の作品が多いので、ご遺族の方々のご理解を得て、市内の小中学校に作品を貸し出すこともあるんですよ。

-教育機関との連携は重要ですよね。

真田さん:先ほどのデジタル写真館を「小学校区ごと」にしたのも、地元の皆さんに関心を持っていただくため、という狙いもあります。学校での教材用のソースとしても使いやすいでしょうし。

-なるほど、実に筋が通っていて、ますます素晴らしいと思います。


日本で唯一残っている、
実際に使われていた打瀬船。

-デジタル写真館は、市民の方からのご寄贈も多そうですね。

真田さん:ええ。たとえば…ほら、これなんか今まで博物館で持っていなかった山車の写真なんですよ。地域の人が保管されていたもので、本当に貴重です。

-やっぱり地元には残っているんですね。

真田さん:こっちの写真は、漁船の進水式です。当館の場所も含めて、このあたりは昔は海だったんですよ。写真をお預かりする時、当時のお話も拝聴できる点も大きなメリットなんですよね。

-それ、高津区の方も同じことを仰っていました。「地域写真アーカイブを作ると、行政と住民の距離が近づく」と。

真田さん:私たちも実感しましたよ。原本をお返しできるのもデジタルの利点ですよね。

-では最後に、今後のこともお聞かせ願えますか?

真田さん:できること、やりたいことは多数ありますが、たとえばこの進水式の写真などは、位置情報を登録して地図で表示したら面白いでしょうね。Googleマップとの連携機能、楽しみにしています。

-頑張ります! 本日は前向きなお話ばかりで元気をいただいたように思います。ありがとうございました。

<取材年月:2014年11月>

MUSEUM PROFILE

知多市歴史民俗博物館
「海と緑に育まれた歴史と文化に学ぶ」をテーマにて、漁業・農業・木綿生産など地元を広く学べる博物館。各種講座の開催やiBeaconなど最新技術の導入、データベースや展覧会をYouTubeで紹介する「ちたデジタルミュージアム」の取り組みと、積極的な姿勢が光ります。愛称の「ふゅうとりぃ・ちた」は、市のマスコットキャラクター「ふゅうちゃん」と英語の「History」を組み合わせたものとのこと。進化を続けることで住民に愛され続ける、理想的な地域ミュージアムです。
ホームページ : http://www.city.chita.lg.jp/docs/2013121600071/
〒478-0047 愛知県知多市緑町12番地の2
TEL:0562-33-1571
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