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収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

少人数で運営する館に必要なのは、何よりも情報。
それは、システムそのものよりも重要かもしれません。
課長 小田島 一弘さん
課長 小田島 一弘さん

-現在、2世代目のI.B.MUSEUMをご利用いただいていますね。まずは、最初の導入の頃のお話からお聞かせいただけますか?

小田島さん:平成13~14年頃だったと思います。選定は鎌倉市が行って、私は平成15年の仕様を決めるところから参加しました。

-当時を思い出されて、何か印象的だったことは?

小田島さん:とにかく、丁寧にカスタマイズしていただいたことを覚えています。当時のシステムは項目の文字数に限りがあるなど自由度は高くありませんでした。その分、よく対応していただきました。欲張って入力項目を多くしたので、入力しきれなくなったくらいです(笑)。

-項目の作りすぎでブランク欄が多くなるという話はよく聞きます。それで使う気が失せてしまうこともあるので、弊社でももう少し注意すべきでしたね。

小田島さん:いえ、こちらも初めてのことでしたので。それから5年コツコツと入力を進めることができましたから、おおむね順調ではないかと思います。

-でも、実際に作り上げていく過程では、いろいろあったのでは?

小田島さん:そう言われると、いくつか思うところはあります。

-ぜひ、できるだけ詳しく教えてください。


明治の香りが漂う建物。
周囲も静かで落ち着いた雰囲気です

-システム構築の過程で気になったこととは、具体的にどんな点ですか?

小田島さん:まず、単純に「時間がかかるものなんだ」と。それから、私たちは「旧システムの設計思想をベースに、新しいものに乗せ替える」という意識があったのですが、御社側では「新しいI.B.MUSEUMの特徴を活かし切る」と考えていらっしゃるようでした。

-意識のズレですね。それは、設計の点だけではないのでは…?

小田島さん:敢えて申し上げると、「もっといろいろ相談したい」と思いました。でも、システムの範疇を超えることは、なかなかお話ししにくいですから。

-それはいけませんね。弊社は、どんなことでもご相談いただける会社を目指しているところですので、こちらからお聞きしないと…。具体的には?

小田島さん:どんなに良い仕組みを構築しても、いざ運用するとなると少人数館の限界があります。システムより、それをどうフル活用するかということの方が、私たちにとっては大きな課題です。

-仰る通りですね。システムの使い方と言うより、システムがある館としての運営サポートと言うか…。

小田島さん:システム会社さんにとっては、「運用はユーザ側の問題」という意識があると思います。確かにその通りなのですが、私たちには、具体的な運用について相談する相手は多くないので、様々な館での導入実績を持つ早稲田さんに期待してしまうのです。

-お気持ちはよく分かります。申し訳ないです…。

小田島さん:いえ、誤解しないでください。敢えて言うなら、ということで、一般論を交えてお話ししているだけですから(笑)。先ほども言いましたが、カスタマイズではきめ細かく対応していただきましたし、「もうひと声!」という感じでしょうか(笑)。

-いえ、弊社の基本姿勢にまで関わる部分ですので、もう一度肝に銘じます。

小田島さん:でも、早稲田さんがそういう姿勢でいてくださると、他の館の方も喜ばれると思います。小さな館で不足しているのは、何よりも「情報」ですから。

-それは、まさに弊社が目指すところでもあります。まだまだ努力が足りないようです。本当に勉強になりました。


散歩や写真撮影の人で賑わう、
南斜面の日当たりのよい中庭。

-こういうお話の後なので少しお聞きしにくいのですが、恒例の質問をさせていただきます。I.B.MUSEUMと弊社は、100点満点で何点いただけますか?

小田島さん:システムは80点くらいかな? 全体としては、70点とさせていただきます。「もっと頼らせてよ」ということで(笑)。

-ありがとうございます。ご期待に応えられるよう、努力を重ねます。では、貴館の今後の課題を教えていただけますか?

小田島さん:そうですね、基礎データはある程度整ってきましたから、次は現在紙ベースで管理している資料の展示履歴をデータベース化していきたいです。文学資料は紙が多く、劣化が進みやすいので、「いつからいつまで展示したか」という情報の管理は、地域の財産を大切に保存する上でとても重要なので。

-それならば、I.B.MUSEUMの履歴管理機能がお役に立ちそうですね。

小田島さん:ええ、しっかり活用していきます。

-貴重な資料を健康な姿で後世に受け継ぐという重要なお仕事に、システムが直接的にお役に立てるなら、私どもとしても嬉しく思います。

小田島さん:そうですね。それから、現在、カードで管理して館内で閲覧している約6万点の図書資料を広くご活用いただくため、まず鎌倉ゆかりの作家80人に関する図書資料、5~6千点をインターネットで検索できるようにしたいと思っています。

-なるほど、それは楽しみですね。インターネットを利用した情報公開は今後ますます重要になりそうですし、地域理解や活性化の面でも貢献できそうですね。

小田島さん:基礎情報が整備されてきたので、可能だとは思います。あとは紙のカードで管理している情報を登録していくだけなので…と言うのは簡単なのですが、ここからが難しいのです(笑)。

-はい、よく分かります。他館の方々も口を揃えて仰っていますが、日常業務をこなしながらデータを整える作業を行うのは、想像以上に大変なんですよね。

小田島さん:ええ、とても時間がかかる作業ですから。ある程度の知識を持っている人が集中してやれば短い期間でも可能だと思うのですが。

-弊社でも、何か良い方法があるかどうか検討して、見つかり次第お知らせしますね。

小田島さん:ええ。ぜひお願いします。

-インターネットと言えば、こちらのホームページはデザインもきれいで、コンテンツも充実していますね。

小田島さん:ありがとうございます。ネットユーザーの皆さんに、鎌倉という土地のイメージをうまく伝えられているといいのですが。

-とてもよく伝わりますよ。観光客の方々にもアピールできるサイトだと思います。

小田島さん:それなら、苦労して運営する甲斐もあります(笑)。提案してくださった制作業者さんのおかげです。それから、ホームページに検索機能を載せる場合は、データセンターなどの活用も考えた方が良いのですか? そのあたりも、ぜひ教えていただけると嬉しいのですが。

-かしこまりました。検索機能は使い方次第でサイトへのアクセス数も変わると言われていますから、今後、しっかりした提案内容を考えますね。

小田島さん:ぜひよろしくお願いします。

-こちらこそ。本日は大変良いお話を聞かせていただきました。お忙しい中、ありがとうございました。
 

<取材年月:2008年6月>

MUSEUM PROFILE

鎌倉文学館
緑に囲まれて 由比ガ浜を望む瀟洒な洋館、旧前田侯爵家の別邸を本館とする、趣たっぷりの文学館です。鎌倉ゆかりの文学者たちの原稿や愛用品の数々が展示されており、広大な庭園とバラ園は心落ち着く散策コースとしても人気。中庭から建物を写生する人、静かに散歩を楽しむカップルなど、訪れる人々が思い思いの時を過ごす風景に出会うことができます。夏目漱石ら文人が訪れ、川端康成らが居を構えた「文学都市」。文士たちが作りだしてきた知的な空気感が、今もなお受け継がれる貴重な場所です。
ホームページ : http://www.kamakurabungaku.com/
〒248-0016 神奈川県鎌倉市長谷1-5-3 
TEL:0467-23-3911
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