HOME > Voice & Report TOP > ミュージアムインタビュー TOP > vol.102 四日市市立博物館

収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

保存は未来のために、発信は今を生きる皆さんのために。
小さな「ふるさと」にできることはたくさんあります。
学芸員 廣瀨 毅さん
学芸員 廣瀨 毅さん

-いまリニューアル中ですね。オープンは来春の予定とお聞きしていますが、どんなご計画なんですか?

廣瀨さん:いろいろ考えまして、「原寸大再現展示」に行き着きました。解説パネルなどは最低限に抑えて、古代の竪穴住居から現代の生活様式まで、原寸大で見られるようにする予定なんですよ。

-それは面白そうですね! まさに「博物館体験」という感じですね。

廣瀨さん:今はインターネットであらゆる情報が得られる時代ですからね。「博物館に来なければ得られないもの」とは、きっと文字情報ではないのだろうな…と。

-公害に関する施設も併設されるとのことですね。※仮称:四日市公害と環境未来館(四日市市環境部所管)

廣瀨さん:ええ。私たちは、公害にしっかり向き合うことが大切だと考えています。昭和30年代は、豊かさを求める人々のために企業が動いた結果として、公害が発生してしまいましたよね。決して四日市だけの問題ではないんです。

-確かに。これからの日本を考える上でも、私たち全員で考えるべきですよね。

廣瀨さん:博物館で歴史を学んで、未来館で公害や環境について考えて、プラネタリウムで未来や宇宙を知る。そんな施設を目指しているんですよ。

-そんな中でパネルの掲出数を抑えるということは、それとは別の解説方法をお考えなんですか?

廣瀨さん:ええ、まずはボランティアスタッフによる解説の充実ですね。

-なるほど。コミュニケーションにも役立ちそうですね。

廣瀨さん:あとは、紙の解説シートも併用しますし、市で使っているARのアプリも活用する予定なんですよ。人と紙と情報端末をうまく組み合わせて伝えていきたいですね。

-なんだか、むしろバランスが良いですね。参考になりそうです。


緑豊かな公園に映える博物館の建物。

-情報端末のお話が出ましたが、QRコードを有効にお使いになれば、もっとスムーズになると思いますよ。

廣瀨さん:ほう? どんな方法でしょう?

-最近は、QRコードを自由に作成できるフリーソフトがありますよね。I.B.MUSEUM SaaSと組み合わせて、追加コストゼロで展示案内に活用されている館もありますよ。こんな感じで(弊社Webサイトをお見せして)。

廣瀨さん:コストがかからないんですか、それは使えそうですね! まずはシステムに登録されている解説データの見直しが必要かな?

-データと言えば、今回のI.B.MUSEUM SaaSのご導入は、他社さんのシステムからの乗り換えですね。何かきっかけがおありだったのでしょうか?

廣瀨さん:システムがもう古くなっていましたからね。バックアップがうまくできなかったり、作業した内容が保存できなかったり。

-古くなると、そうした現象は起こりやすいですからね。

廣瀨さん:システムを新しくするのはよいのですが、仮に新しい機能を持つものに移行するにしても、それまでのシステムで使いやすかった部分がなくなってしまうのは困りますし。

-悩ましいところですよね。

廣瀨さん:ただ、I.B.MUSEUM SaaSは導入コストの面にしても、データ量が増えても費用が変わらない点にしても、圧倒的なメリットがありましたからね。「これまでのシステムとは根本的に違う」という印象でした。

-ありがとうございます。実際にお使いになられて、いかがですか?

廣瀨さん:マメに機能を改善してくださっていることに感心しています。

-ということは、現段階では気になる点もありそうですね。

廣瀨さん:細かい点ですが、急いで資料を探さなければならない時に、ちょっとつまづいてしまうことはありますね。登録データが旧字体になっていたために検索でヒットしないとか。

-実は、今も弊社内で議論している部分なんですよ。検索時に幅を持たせることはできるのですが、逆に余計なものがヒットして作業の妨げになるのは嫌だ、というお声もありまして。

廣瀨さん:たとえば、検索する時に「広く拾うかどうか」を選べるようにしては? キーワードの入力欄の近くに分かりやすいボタンを表示しておくとか。

-なるほど! それはよいかもしれません。検討しなきゃ(メモ)。

廣瀨さん:細かなインターフェイスはもっと使いやすくできるような気がします。操作ガイドの吹き出しがボタンを隠してしまって押せない、なんてこともありました。

-あ、それ、つい先日解消したんです…。すみません、ご案内が遅れまして。

廣瀨さん:そうなんですか! でも、そういうところがI.B.MUSEUM SaaSの良さですよね。

-と仰いますと?

廣瀨さん:クラウドだから当然かもしれませんが、それにしても、ずっと細かく改善なさっているでしょう? 期待感がありますよね。

-ありがとうございます。日々努力しているスタッフが聞いたら喜びます。

廣瀨さん:前のシステムでのトラブルもあって気になっていたデータのバックアップも、2か所に保管されるようになりましたよね。先ほどは細かいことを申しましたが、それを除けばほとんど不満はないんですよ。今後も期待しています。

-しっかり見てくださる方がいらっしゃると、モチベーションが上がります。さっそくスタッフに伝えますね。


噴水の向こうに博物館が見えます。

-さて、リニューアル後は「原寸大」が中心とのことですから、数多くの資料を展示するのは難しそうですね。とすると、データの公開が重要になりますね。

廣瀨さん:そうなんですね。20年の間に、ものすごい数の資料が集まりましたからね。当館がなかったら、たぶんその1割も集まらなかったんじゃないかな。

-それこそが博物館の存在意義ですよね。極めて重要なことだと思います。

廣瀨さん:当館のような地域の博物館の資料は、地元を離れた人から見ると「ふるさとからのメッセージ」のような意味を持っていると思います。特にこの時代は、引っ越された方、海外に行かれた方などもネットを通じて気軽に触れることができますし。

-確かに…(自分も永く故郷を離れていて…しみじみ)。

廣瀨さん:しっかり保存するという博物館の役割は、未来の人たちに向けての仕事。活用し発信するという役割は、今の人たちに向けての仕事。両方しっかり全うすることで、もっと多くの方をお迎えしていきたいですね。

-よいフレーズですね…全国の館の皆さんも頷かれるはずです(メモ)。

廣瀨さん:今回のリニューアルにも通じるんですが、来館された方々が将来のことを考える手がかりを見つけていけるような、そんな場所に育てていければと思います。

-システムが担えることも多そうです。弊社も頑張らなくては。

廣瀨さん: I.B.MUSEUM SaaS は、伸び代がいっぱいありそうですから、いろんな意味で利用者の窓口になっていくように思いますよ。より多くの皆さんに伝えていけるよう、私たちもしっかり活用していきますね。

-伸び代…確かに仰る通りです(メモ)。ご期待にお応えできるよう、頑張って伸ばして参ります。本日は、とても参考になるお話をたくさんお聞きできました。ご多忙な中、本当にありがとうございました。

<取材年月:2014年8月>

MUSEUM PROFILE

四日市市立博物館
四日市の生い立ちから現在までの歴史と文化を展示する博物館。現在リニューアル工事中で、各時代を象徴する建物や道具を原寸大で再現し、古代から江戸時代までの四日市の発展と人々の暮らしがダイナミックに再現される予定です。また、近代以降をあつかう四日市公害と環境未来館(仮称)を併設し、両館を通じて四日市の歴史を連続的に体感できます。1億4千万個の星が投映可能という次世代プラネタリウムも設置予定。オープンが待ち遠しい期待の博物館です。
ホームページ : http://www.city.yokkaichi.mie.jp/museum/
〒510-0075 三重県四日市市安島1丁目3番16号
TEL:059-355-2700
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