HOME > Voice & Report TOP > ミュージアムインタビュー TOP > vol.101 川崎市高津区 高津区ふるさとアーカイブ事業

収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

新しい手法を駆使しながら、古いものを残し、伝える。
地域にとって、とても重要な事業だと思っています。
川崎市総合企画局都市経営部企画調整課 担当係長 佐藤 園子さん
川崎市高津区役所まちづくり推進部企画課 担当係長 小島 健太郎さん
川崎市総合企画局都市経営部企画調整課 担当係長 佐藤 園子さん
川崎市高津区役所まちづくり推進部企画課 担当係長 小島 健太郎さん

-「高津区ふるさとアーカイブ事業」でI.B.MUSEUM SaaSをご利用いただいていますね。事業立ち上げの頃のお話からお聞かせいただけますでしょうか。

佐藤さん:当区では、区民の皆様を主体としたまちづくりを進めています。市民自治の推進のための仕組みとして、区民会議がありましてね。その中で、区の歴史や地域の魅力の発信、特に区内に残る古い資料を保存していくことが必要ではないかという話が出たんです。

-大事なことですよね。何かきっかけがあったのでしょうか?

佐藤さん:当区には円筒分水(注:農業用水を公平に分配するために築造された利水施設)がありまして、築70周年を機に「全国円筒分水サミット」を開催したんです。それと、区制40周年記念誌を発行するという事業も進んでいて、「地域資料の情報をデジタルアーカイブ化しよう」という機運が高まっていたタイミングでした。

-なるほど。アーカイブされた写真は区で保管されていたものですか?

佐藤さん:いえ、区民の皆様からご寄贈いただいたものが中心です。「大山街道ふるさと館」という施設に、ある郷土史家の方が寄贈してくださったのがきっかけで、スタート時点では1,000点ほどだったかな。

-写真の募集は区役所主導でなさったのですか?

佐藤さん:ええ。街道筋の旧家を訪ねてお願いすれば、きっとご協力いただけるだろう…という目算もありましたからね。

-いま検索してみると…2,162点ですか。当初から倍増していますね! 公開用サイトの構成もお考えになったのですか?

佐藤さん:いえ、専門家も含めた検討委員会がありまして、そこでいろんな方からアドバイスをいただきました。的確に助言してくださって、とても参考になりました。

-なるほど。では、成功の秘訣について、もう少し詳しく伺いますね。


区役所入口。人の往来が絶えません。

-プロジェクトを進める上で特に気を配られた点はありますか?

佐藤さん:まず、専門家の方からご助言いただいた、「ターゲットを明確にして着手すること」ですね。あとは、写真に特化したプロジェクトということで、区民の皆様に内容を明確にお示しすることができたのも大きかったかな、と。

-ほう? 具体的には?

佐藤さん:たとえば、サイトでの公開に先立って進めていた区制40周年記念誌の発行をしっかりお知らせしたこと、とか。

-なるほど。古い写真をお持ちの方はご年配の方が多いでしょうから、本にまとめるという話は、デジタルアーカイブ化よりも分かりやすいかもしれないですね。

佐藤さん:そうなんですよ。最初に集まった写真は地域的に偏りもあったのですが、より広い範囲の写真をお寄せいただくきっかけにもなりました。

-かなり広く募集を告知されたんですか?

佐藤さん:ええ、「市政だより」でね。毎月、古い写真を使ったコラムを掲載してもらいました。

-それは効果的かも! でも、原稿づくりが大変だったのでは?

佐藤さん:そこは部下たちが頑張ってくれました。資料をひもといて、丹念に調べていましたよ。写真をお預かりする際、区民の皆様から詳しい話をお聞きできるのも、とても勉強になりますしね。

-素晴らしいですね。区民の皆さんと行政の距離が、とても近く感じます。

佐藤さん:きちんとした仕組みで集めるのではなく、アナログ的な方法ですけどね。「誰々さんが古い写真を持ってるらしいよ」という情報をいただいたら、その方のお宅を訪問してお願いする…という感じで。

-体温を感じる方法ですよね。直接訪問のお願いは、むしろお喜びになった方も多いのではないでしょうか。


ステンドグラスで飾られたロビー。

-さて、I.B.MUSEUM SaaSを使った公開画面への導入ページですが、あのインターフェイスはよくできていますよね。

佐藤さん:ありがとうございます。

-実はいま、弊社でも営業担当者が各地でご紹介させていただいてるんですよ。事業理念から実際のサイトづくりまで、素晴らしい事例だと思いまして。

佐藤さん:それは嬉しいですね。デザインはトータルメディアさんが考えてくださったんですよ。検索して1枚だけ見るスタイルだと先に続かない気がしたので、「ギャラリー的なページが先頭に来るように」というイメージをお伝えして。

-その条件の検索結果一覧のURLをボタンに埋め込んでおくというのも、よいアイデアですよね。あれならシステムの仕様に左右されませんし、美しいデザインを作ることができますし。

佐藤さん:そうですね、検索のアイデアは御社の担当者さんにも一緒に考えていただきました。デザインにもとても満足しているんですよ。きれいに作ってくださいました。

-システムへの登録も順調に増えているようですが、今は主に小島さんが使ってくださっているんですよね。

小島さん:はい、そうです。

-実は少し心配していたのですが、博物館収蔵品管理システムをデジタルアーカイブ用に使うと、使いにくい部分がありませんか?

小島さん:特に気になることはないですよ。強いて言えば、一覧を印刷する時、写真がもう少し大きい方が見やすいかな…というくらいで。

-なるほど(メモ)。ほかにはないですか?

小島さん:そう言えば、最近、Googleのアクセス解析機能をセットできるようになりましたよね。あの画面の言葉が分かりにくくて、まだ使いこなせていないんです。

-確かに、少しとっつきにくいかもしれませんね。別に解説を作るか、サポートのスタッフに説明させた方がいいかな…(メモ)。ところで、区民の皆さんの反応はいかがですか?

佐藤さん:ご高齢の皆様にお喜びいただいているのはもちろんですが、スマホで案内する「たかつぶらり」は若い方がアクセスしてくださっているようですね。新しい手法を駆使しながら、古いものを伝えていくのが、この事業のポイントかもしれませんね。

-それ、よい言葉ですね! 社是にしたいくらいです(笑)。

小島さん:サイトに掲載中の「こぼれ話」も、どんどん増やしていきますので、もっと幅広い層にご覧いただきたいですね。

-「こぼれ話」のコーナーは、地域のお年寄りが昔の話を語ってくださっているんですよね。数もなかなかのものじゃないですか?

小島さん:いえ、まだまだです。今はまだ6年計画の2年目ですから、これからですよ。

佐藤さん:たとえば戦時中の経験談を直接聞ける機会は、もうそんなに多くないですからね。今やらないと。

-本当に素敵な事業ですね。ぜひ全国の自治体の方々にお知らせしたいです。

佐藤さん:ありがとうございます。この事業では、思いがけずいろんな出会いにも恵まれますから、ぜひおすすめしたいですね。

小島さん:私たちもやりがいを感じています。皆さんに喜んでいただける事業に育てていきたいですね。

-住民の皆さんと行政が一体となって、写真と肉声で地元の歴史を残していくのは、本当に素晴らしいと思います。弊社も精いっぱいサポートして参りますので、ぜひ頑張ってくださいね。本日はご多忙な中、よいお話をたくさんお聞かせいただき、本当にありがとうございました。

<取材年月:2014年8月>

MUSEUM PROFILE

川崎市高津区 高津区ふるさとアーカイブ事業
川崎市高津区は古くから多摩川などの水系を利用した集落が形成され、中世・近世においては交通の要所として栄えました。近年は、そうした風景が減ってきて、貴重な写真も失われつつあります。そこで、2012年に区制40周年を迎えたことを機に、区の歴史を物語る写真資料などの収集を開始したのが「高津区ふるさとアーカイブ」です。区民が提供し、区民が使い、そして後の区民に伝えていく事業。行政と住民の思いの結晶、ぜひご注目ください。
ホームページ : http://takatsufurusato.sakura.ne.jp/
〒213-8570 川崎市高津区下作延2-8-1
TEL:044-861-3131
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