HOME > Voice & Report TOP > ミュージアムインタビュー TOP > vol.97 鹿児島県立埋蔵文化財センター

収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

文化財主事 玉利 浩実さん
システムは「購入するもの」と言うよりも、
業者さんと協力して作り出すものだと思います。
システムは「購入するもの」と言うよりも、
業者さんと協力して作り出すものだと思います。

-3月にシステムが新しくなりましたが、前のI.B.MUSEUMもずいぶん長くご利用いただきましたよね。

玉利さん:ええ、10年は使ったと思います。データはその前の10年分も登録していましたから、20年分の情報を管理していた計算になりますね。正直、活用し切れない部分もありましたけど。

-どういった点でしょうか。

玉利さん:たとえば、何かを検索しようとすると、結果が1000件くらい出てきたり。そこから自力で探すなら、別の方法を考えますよね(笑)。

-それはお困りだったでしょうね。

玉利さん:まあ、当時のシステムですからね。回線環境も力不足になって、鮮明な画像は載せられなくて。

-そのあたりは、新しいシステムで解消しましたね。

玉利さん:お陰様で。検索結果表示は、私たちの「探し方」に合わせてかなりカスタマイズしていただきましたしね。

-社内でも「特殊なカスタマイズがある」という報告は受けていました。具体的にはどんな内容だったのですか?

玉利さん:たとえば、ある土器を検索した時、検索結果一覧ではなくて「この遺跡に何件」「あの遺跡に何件ある」という表示ができるようにしたんです。

-なるほど。確かに弊社でも珍しい例ですが、他の埋蔵文化財センターにも喜ばれそうですね。画像の問題はいかがでしょう?

玉利さん:これから少しずつ差し替えていきます。「表記の揺らぎ」の問題もありますし。

-と仰いますと?

玉利さん:玉利さん:埋蔵文化財センターでは毎年報告書を出すのですが、その時々の年代観の変化などによって表記方法が違うことがあるんです。

-なるほど。検索しても正確にヒットしないケースが出ますよね。

玉利さん:そうなんです。いまは「揺らぎ」がある言葉を表にして、壁に張り出しているんですけどね。これで結構、検索精度が上がるんですよ。ほら(表を拝見)。

-うわぁ、これは凄い! まさに地道な努力ですね…。

玉利さん:まだ始めたばかりですけどね。これから試行錯誤しながら、さらに精度を上げていきたいです。

-システムの仕様だけでなく、運用の工夫で乗り切る、と。勉強になります。

玉利さん:データもシステムもまだ出発点ですので、早稲田さんにはお願いすることが多くなると思います。

-なんでもご相談ください。頑張ります。


本文に登場した「表現の揺らぎ」
チェック表。

-ところで、システム更新の作業自体は、すんなりと行きましたか?

玉利さん:特に問題はありませんでしたが、実は、検討時には他社製品の情報も収集したんですよ。正直、他にもいいものがありました。

-先ほど、特別なカスタマイズのお話もありましたね。

玉利さん:そうなんです。契約後、御社のスタッフの方にはかなり突っ込んだ議論にお付き合いいただきました。

-弊社の対応はいかがでしたか?

玉利さん:ご担当の皆さんにお願いして良かったと思っていますよ。システムを買ったと言うより、「少しでもいいものに」と、御社の皆さんと一緒になって作り上げたという思いですね。

-ありがとうございます、みんな喜びます。開発中はスタッフも苦労していましたが、「血の通ったキャッチボール」ですので、こちらに出張に出かける時は嬉しそうでした(笑)。

玉利さん:そんなわけで、納品からがスタートなんですよ。ぜひ、よろしくお願いしますね。

-こちらこそ、勉強させていただきます。ところで、公開用の画面を見た時に驚いたのですが、「簡単検索」が分かりやすくまとまっている一方で、「詳細検索」はシステムの画面がそのまま出ていますね。

玉利さん:あれは、市町村の埋蔵文化財関係者向けの公開なんです。

-なるほど。それで「プロ向き」なんですね。

玉利さん:ええ。つい先日、教育委員会の担当者が市町村の職員を集めて、システムの説明会を開催していました。当センターのデータベースには、県内の遺跡や遺物の情報が網羅されていますから、市町村の担当者にとっても必要な情報なんです。

-市町村の関係者の皆さんが業務用システムの画面に慣れるのはよいことですよね。

玉利さん:それに加えて、私たちセンターの職員のためでもありまして。

-ほう? センター外からのアクセス機会が多いのでしょうか。

玉利さん:その通りです。発掘現場の他にもいろいろな場所で仕事をしますが、調査して報告書を作る時には、過去の書面をたくさんの紙袋に入れて持ち歩いていたんですよ。データを公開したおかげで、ネットの接続環境さえあれば詳しい情報にアクセスできるようになりました。

-なるほど。お役に立っているようで嬉しいです。


随所に地元産の木材が使われ、
温かみを感じる館内。

-さて、県民の皆さん向けの公開の評判はいかがでしょうか。

玉利さん:今回のシステムのリニューアルにあたって、実は数値目標がありましてね。

-えっ、厳しい話ですか?

玉利さん:いえいえ、無理難題ではなくて、リニューアル前は数十件程度だった1日のアクセス数を「100件以上にしよう」と。お陰様でクリアできましたよ。

-それは凄いですね。他館の皆さんも知りたい部分だと思いますので、ぜひ秘訣を教えてください。

玉利さん:そんな大げさなものではないですよ(笑)。このページを閲覧する方は大きく3種類に分けられると考えて、それぞれに合わせた対策を立てたんです。

-なるほど。3種類とは?

玉利さん:まず、学校関係者や子どもたちですね。ホームページを全体的に親しみやすいデザインにして、専用のコンテンツも作りました。イベント情報、埋文の仕事の紹介、「接合日記」と「珠玉の一品」という4コーナーです。

-なるほどなるほど(メモ)。

玉利さん:頻繁に更新できて、読みやすさを重視しました。次に2番目の閲覧者ですが…どんな方か、お分かりですか?

-え。う~ん、遺跡の情報を必要とする人って…ふっ、不動産関係…?

玉利さん:正解です(笑)。

-ですよね(汗)。

玉利さん:宅地を開発したりビルを建設したりする時、事前に調査が必要になるんです。今回のシステムでGISが新しくなったので、不動産関係の方々にとっても使いやすいシステムになったと思います。そして最後に、当センターの職員、それから県内市町村の埋蔵文化財に携わる職員ですね。

-なるほど。そう考えると1日100人のアクセスは不思議じゃないですね。

玉利さん:ええ。まだスタート地点に立ったばかりですから、もっと多くの方に使っていただけるようにしないと。

-システムが上手く活用されることは、日本中にシステムを提供している弊社にとっても、将来につながる最高の財産です。

玉利さん:そう言っていただけると嬉しいですね。引き続きよろしくお願いしますね。

-こちらこそ! 今日はいろいろと勉強になりました。お忙しい中、本当にありがとうございました。

<取材年月:2014年5月>

MUSEUM PROFILE

鹿児島県立埋蔵文化財センター
鹿児島県霧島市、上野原遺跡の公園・上野原縄文の森の広大な敷地にある施設。県全域の発掘調査の中心で、埋蔵文化財の保存・活用のための活動も行っています。学校に本物の土器や石器を貸し出したり、出土品の整理作業の様子を公開したりと、文化財を身近に感じることができる事業が特徴。隣接する上野原縄文の森展示館では、「縄文シアター」やジオラマ、映像資料で楽しみながら学べます。大自然の中で太古のロマンを体験できる地域の名物スポットです。
ホームページ : http://www.jomon-no-mori.jp/top.htm
〒899-4318 霧島市国分上野原縄文の森2番1号
TEL:0995-48-5811
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