HOME > Voice & Report TOP > ミュージアムインタビュー TOP > vol.93 田淵行男記念館

収蔵品管理システム I.B.MUSEUM 導入ミュージアムインタビュー

ミュージアム名

I.B.MUSEUM SaaSは、とてもよくできていると思います。
今後は、細かい使い勝手をさらに向上して欲しいですね。
副館長・学芸員 堀 久士 さん
事務員 松本 信子 さん
(公社)安曇野シルバー人材センター 田中 正一 さん
副館長・学芸員 堀 久士 さん
事務員 松本 信子 さん
(公社)安曇野シルバー人材センター 田中 正一 さん

-田淵行男という方は昆虫生態研究家で山岳写真家でもあるとのことですが、個人的には、こちらがネットで公開されている蝶の細密画に感動しました。あれ、すごいですよね。

堀さん:先に実物をご覧になりますか?

-よろしいんですか? ぜひぜひ。

松本さん:では、展示室にご案内しますね。

-(実物を前に)これはすごい。思っていたよりずっと大きいです。鱗粉や触覚の質感まで…。凄まじいですね。信じられない…。

堀さん:田淵先生は、当初図鑑を作るという意図でこの細密画を描かれたんです。

-なるほど。

堀さん:こちらは、田淵先生が乾板、フィルムを保管していた箱です。箱の外側に番号が振ってありますが、わざわざ数字のレタリングも田淵先生がデザインされていらっしゃるんですよ。

-ホントだ。几帳面な方だったんですねえ…。


高原の別荘のようなエントランス。

-さて、作品を拝見したところで。最近、I.B.MUSEUM SaaSのインターネット公開機能をご利用いただく館が増えてきたのですが、拡大画像公開の機能をお使いなのは、つい先日までこちらだけだったんです。

堀さん:そうなんですか。それは知りませんでした。

-著作権などへの配慮から、なかなか踏み切るのが難しいようでして。

堀さん:ああ、なるほど。当館の場合は、前任者が思い切って判断したんだと思います。あの緻密さは小さなサムネイル画像では伝わりませんからね。

-細密画の実物を見て理解できました。実際に、私もあの画像を見て実物を見たくなったわけですから。そういう方、ほかにも結構いらっしゃるのでは?

松本さん:そうかもしれませんね。来館者の皆様に動機をお尋ねする機会はあまりないのですが、「あの蝶の絵を雑誌に掲載したい」というお問い合わせは旅の情報誌とかから時々いただきますよ。

-それはすごい! もし、弊社の機能でメディアが興味を持ってくれるのであれば、嬉しい限りです。

松本さん:当館は登山帰りに立ち寄る方が多いので、どんどんご紹介いただきたいですからね。ありがたいことですよね。

-ところで、本題のシステムの話ですが、ご導入のきっかけは?

堀さん:私が赴任する前のことなのですが、キャビネットが台帳でいっぱいになるような状態で、人事異動などで担当者が入れ替わる度に苦労していたようです。前任者は、データベースを整えて情報の継承を円滑にしたかったようです。

-弊社がクラウド型のサービスを開始してから、かなり早い段階でご利用を開始いただきましたね。インターネット公開を実現された例としては、もしかしたら一番早かったかもしれません。

堀さん:そうなんですか。

-現在は、主に田中さんがお使いなんですよね?

田中さん:ええ。最近できたクリップリスト、あれはいいですねー。

-おおっ! もう使いこなしてくださっているとは。どんな場面でお使いですか?

田中さん:田淵行男先生は書籍を刊行されているのですが、当然、写真がたくさん掲載されています。本も写真も「資料」の分野に登録してあるので、特定の本に掲載された写真なんかをまとめています。こんな感じで…。

-(画面を見ながら)すごい、関連資料が197点も…。

田中さん:クリップリスト機能ができてから、随分登録しやすくなりました。先にリストアップしておけるわけですからね。

堀さん:田中さんは、ただデータを入力するだけじゃなくて、私たち学芸員にとって使いやすいデータとは何かを考えながら入力してくれるので、ホントに助かっているんですよ。

-ほう? 具体的にはどんな部分ですか?

堀さん:たとえば、関連資料のデータをすぐ取り出せると、研究や展示の企画の仕事がとてもスムーズになります。

松本さん:もともとコンピュータ関係のお仕事をされていた方なので、とてもお詳しいですしね。

-そうなんですか! では、専門家の視点から、I.B.MUSEUM SaaSの使用感はいかがですか?

田中さん:とてもよくできていると思いますよ。特に、項目がユーザ側で自由に変更できる点がいいですね。普通、こういうシステムはカチッと固まってしまっているモノが多いですからね。

-そうなんです、そこなんです!(感激)

田中さん:私も、少し項目を足しましたよ(笑)。

-すっかり上級者さんなんですね(笑)。

田中さん:一括アップロード機能もよく使いますよ。画面にアップロードの履歴データが表示されていますが、あれも便利ですね。でも、もう少し表示の期間を長くしてもらえると助かるかな。アップロードし忘れをチェックすることができますからね。

-ふむふむ、なるほど(メモ)。

田中さん:それと、一括アップロードしたリストがそのままクリップリストになるとか、クリップリストをそのままダイレクトにダウンロードできるとか、そんな方向に発展してくれるといいですね。

-なるほどなるほど(必死でメモ)。

田中さん:ご参考になりますか?(笑)

-それはもう、勉強になります! 的確なご指摘だと思いますので、さっそく開発者に伝えて検討しますね。


記念館のすぐ下に
広がるわさび畑。

-こんな優秀な入力スタッフがいらっしゃったら、データはどんどんできてきますよね。

松本さん:でも、なにぶん数が多いですからね。

-どのくらいあるんですか?

堀さん:ご遺族から安曇野市にご寄贈くださったフィルムや乾板が72,000点、田淵先生の作品のプリントが1,800点あります。特に数の多いフィルムをどうするかが今後の課題ですね。

田中さん:業者にプリントを依頼すると、テストプリントが上がってきますので、それをスキャンしてシステム用の画像データにするとか、工夫はしているんですけどね。まだまだ、先は長いです。

-でも、「学芸員が使いやすいデータとは何か」を常に考えて作業してくれる人材がいて、使う側も「そのデータの作り手の配慮」をしっかり理解してお仕事に活かしていらっしゃってますから、きっとうまくいくと思います。

堀さん:そうですね。本当にありがたく思っています。

-たぶん、理想的なチームワークだと思いますよ。今後もぜひご指摘やアドバイスをいただければ嬉しいです。

田中さん:こちらこそ、よろしくお願いします。

-私たちも、データ作りのスピードアップに少しでも貢献できるよう、システムを改善していきたいです。本日はためになる話をたくさんお聞かせいただき、大変勉強になりました。お忙しいところ、どうもありがとうございました。

<取材年月:2013年11月>

MUSEUM PROFILE

田淵行男記念館
日本を代表する昆虫生態研究家で山岳写真家の田淵行男を顕彰する記念館。本物の美しさを描いた蝶の図鑑を作りたいとの想いから描き始めたという細密画や山岳写真、田淵行男愛用の品々など、田淵行男の仕事の全容を俯瞰できる展示内容となっています。豊かな緑に溶け込む建物は、「自然から読み取り学ぶ知識が最も正しい」という田淵の考えに倣って建てられたとか。登山帰りに立ち寄り、鑑賞後はわさび畑を眺めながら一休み。安曇野の知的な癒しのスポットです。
ホームページ : http://tabuchi-museum.com/
〒399-8201 長野県安曇野市豊科南穂高5078-2
TEL:0263-72-9964
資料のご請求はこちらへ。 — 美術館・博物館向け収蔵品管理システムから、実務に役立つ読み物まで。

PAGETOP